書物蔵

古本オモシロガリズム

2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 絶版文庫の掘り出しザクザク 附.教育社「入門新書」

蔵前の古本屋 最初に,蔵前にある御蔵前(おくらまえ)文庫。むちゃくちゃ古風。やたらに自治体史があったけど,古書通以外にはおすすめしません。建物は,すごいです,かしいでます(わたしゃ好きですが)。http://ssaton.hp.infoseek.co.jp/omise/kuramae-…

十年かけて買えた古本。さまつな行政法は至難!

古本生活20年にならんとするなかでも,買うのが困難なのは実用本,実務本なり。旅行ガイドとか,マニュアルとか,古いもんを買うのはむずかしいのは有名な話。で,そのなかでもとりわけむずいのは法律の実務本じゃないかと。法学書は,実務書でなく学術書…

チカラいっぱい買いました,って何を?

古本にきまってます。「地図と古本の店ギャラリーラパン」で文庫本を安く。「値段の明治大正昭和風俗史 上」(朝日文庫),石川九楊「書と文字は面白い」(新潮文庫),山本夏彦「完本・文語文」(文春文庫),幸田文「ちぎれ雲」(講談社文芸),浅見潤「昭…

オタクの本懐 コレクターシップとは 附.予告

昨日はめずらしく時事ネタでlibrary humorをたのしみました。記事文の片言隻句から,図書館史的にタメになる笑い話をひきだすことができ,まったく図書館オタクの本懐でございます。長山靖生『おたくの本懐』(ちくま文庫)を買い,これは奇書なりと喜んでい…

国会会議録

さいごに「国会会議録」データベースについて。こりは機能はプリミチブでインターフェイスもけしてよくないですが,魔法の箱です。なんでもわかります。こまめに引くと,今回みたいなlibrary humorの題材もひっぱってこられます。それこそ日本国の森羅万象が…

死せるカクロウ,生ける広報官をうごかす

金森徳次郎ついでに日曜の産経に「国会図書館/職員過多」って記事がでた。原紙をみると,第1面右上トップで題字がすごくデカイ。むむむー,国会図書館はさすが巨大図書館だす〜。題字がデカイのは,産経の認知度がたかいっちゅうわけだす〜。コトの是非は…

ついでに産経の記事も図書館史の観点でlibrary humorに

書物耽溺 / 谷沢永一. -- 講談社, 2002.8 これも安く買いました。ちょうど探してたんすよ〜,よかった。東京堂ふくろう店の坪内祐三の棚で立ち読みして,これなぞまさに図書館本ということで。なぜ図書館本かって? そう,いい質問です。全体としてはこれは…

宝石本と図書館本!

まだ現物は未入手だけど,ほぼ手にはいりそう(ネットで)。 宝石本わすれなぐさ / 小寺謙吉. -- 西沢書店, 1980.1 3千円 安い 図書館物語 / 竹林熊彦. -- 東亜印刷出版部, 1958 2千円 安い むぅ,こんなに早く手にはいっていいのかしらん??? 書物の達…

ローマ帝国の首都はどこでしょう

このまえ日本特価書籍で,文庫クセジュ「皇帝ユスティニアヌス」を買った。あとがきに,2002から3年はラヴェンナ遷都1600年記念だったんで,ユ帝研究本が多くでたとある。知らんかった,って日本ではふつう知らないか。でも驚いた。ローマ帝国の首都はロ…

古本療法

浴びるように古本に接していると,「もっとオモシロイ,珍奇な本があるんじゃないか」とか「良書が2ケタ安く買えるんじゃないか」といった望みというか,欲がでてくる。生きるチカラがでてくるってのは,こりゃあ古本浴には心理療法になるのかもしれん。「…

【掘出後日談】 古本合戦(ふるほんがっせん)

とあるところで掘り出し合戦をした。ある人が長澤規矩也(書誌学者)の『叱る』(NDLにもNIIにもないね)を持参。いろんなものが叱られているが,図書館も叱られてる。おもしろい。むむ,さすが。それが売られてた場所(高円寺の会館)にわても行って,三回…

【掘出】 楠瀬日年 『書斎管見』 昭10

えっと,どこまで話したっけ。そそ,はじめての店で,ずばり図書館本を買った話。イイ店だったなぁ〜,固い本しかなくて。なんつーか,これぞ古書店って感じで。あーゆーところができてたんですねぇ。ぜんぜん知らなかった。それから同じ店でこれも。いまよ…

【掘出序曲】 古本屋は土曜に

古本屋は土曜日に 今日,土曜は古本日和(ふるほんびより)。なにゆえか。古本屋にとっては,販売より仕入れのほうがずっとずーと大切だから。 古本は生産するってことができない。古本の増し刷りなんてありえなーい(復刻ってのは似ちゃーいるが)。極端な…

ほ り だ し ! ! !

2月4日(金)の収穫

歴史学入門 / 増田四郎. -- 河出書房, 1955. -- (河出文庫) プラグマティズム / 鶴見俊輔. -- 河出書房, 1955. -- (河出文庫) 契沖の生涯 / 久松潜一. -- 創元社, 1942. -- (日本文化名著選 ; 第2輯) 文献探索学入門 / 佃実夫. -- 改訂新版. -- 思想の科学社,…

平成文化の消滅あるいはホットメルトの罪

古本の効能書きはおわりにして,フェティシズムがらみでいうと,わては製本フェチ(って初耳でしょ)。糸かがり綴じでホローバック(で丸背)の本で,最初にひらきぐせをつけるのはたまらく気持ちいい。これをしないと一カ所にチカラがかかって,いわゆる「…

古本の効能

ここんとこ古本屋や即売展にいかないと一日元気がでなくなってきた。 ここ数年,いろいろあって古本から遠のいていたんだけど,なんか,古い本に囲まれてないと楽しくないみたい。 最近は新刊書店でもたのしくはあるんだけど(古い良書が続々とちくま文庫に…

変わり学(変り学)とは

お口直しに古本話。南陀楼氏のHPにあったんで,おもしろそだなと思ってたら,鎌倉の公文堂にありました。2千5百円。買い。古本で欲しいときにすぐ買えるのは珍しい。 變り學讀本 / 大阪毎日新聞學藝部編. -- 河原書店, 1936 らくがき 動植物名 南方(みな…

図書館経営「論」につきて論ず

省令科目(司書課程)の改定で「図書館経営」ができた。そんなことやってる場合じゃないって意見もあり(根本「知的貧困」),それはそれでまったく正しいと思うんだけど(根本先生の意見をたとえれば,医学生が大学で医学そっちのけで病院経営を学んでどう…

耳折り本から員数主義を懸念す

本を整理してたら,『一下級将校の見た帝国陸軍』(文春文庫)が2冊でてきた。これは「員数主義」についての基本ね。片方の本には,わてが盛んに耳折りをしたのが残ってる。 ここで耳折りってのは,dog ear (イヌの耳)のこと。ってもこれは英米書誌学用語…

情報総合館って? それより雑誌館を!

名前がなぁ。なんだかよくわからない。図書館だと「図書」館で,単行本が資料の主体であるかのように思われるから変えたいのはよくわかるけど。情報とか総合ってコトバは,ちょっと広すぎる気がする。会計士や弁護士,市長が座ってて直々に答えてくれるわけ…

指定管理者制度

懐古的な当ブログも,めずらしく時事を。朝日新聞の朝刊,文化総合欄に「どうなる公立図書館」で指定管理者制度が。 山中湖情報総合館(山中湖村立図書館のこと,昨春開館)がまずでてきたんだけど,館長さんは小林是綱(コバヤシ・ゼコウ)。 かなり前から…

また神保町

このセドリ屋さんが紹介してた神保町北の,地図と古本の店にも行きました。不思議。貸しビルの階段あがったところ,締め切られた鉄扉(窓なし)に「どうぞお気軽に」って…。ずぇえったい気軽に入れないよぉ〜。でもこちとら古本生活20年なんで突破しました…

馬場BigBoxで

江戸から東京へ. 第1巻 / 矢田插雲. -- 中央公論社, 1980.10 江戸あきない図譜 / 高橋幹夫. -- 筑摩書房, 2002.7. -- (ちくま文庫) こじき袋 / 森繁久弥. -- 中央公論社, 1980.6. -- (中公文庫) 山本七平の智恵 / 谷沢永一. -- PHP研究所, 1996.12. -- (PHP…

はじめての古本屋

古本生活20年にならんとするわてではあるが,思いもしないところに古本屋ってことが稀にある。今日はその日。東京ビッグエッグ(後楽園球場)の北に,忘れ去られたように下町的商店街が残っているところがある。クルマをころがしていたら,なにやら本屋ら…

即売会って何だったんだっけ?

わたしゃ勝手に,end-user(最終消費者)に安く売る会かと思ってたけど,よく考えたらそうでもなかったかも。一般流通論でいう「二次問屋」みたいな機能が公認されてるフシもあるね。組合員でないと出入りできない交換会が一次問屋で,だれでも入れる即売会…

本日の収書

T書房(神田)にて。ほんとは他の店を目指していったんだけど。閉まってた(涙。 本屋風情 / 岡茂雄. -- 中央公論社, 1983.9. -- (中公文庫) 芸流し人生流し / 岡本文弥. -- 中央公論社, 1978.7. -- (中公文庫) 大衆文芸評判記 / 三田村鳶魚. -- 中央公論社,…

スクラップ術,あるいは新聞切り抜き(クリッピング:clipping)

そんな流れで,新聞切り抜きにも興味が。クリッピングって英語でいうらしい。つまみ出して留める,っていう語感かな。これについても文献あつめてまっせ。 公共図書館の新聞整理と切抜の実際 / 永末十四雄,楢橋栄三郎,図師昭夫. -- 日本図書館協会, 1965 鋏…

日経テレコン(新聞記事データベース)

ところで,新聞記事の調べを1年間しっぱなしだったもんだから,新聞記事というものについて興味がでてきた。題字,要約文,本文,図表という要素やら,紙面における位置とか説明した本はないかなと。ほんとは図書館本にあるべきなんだけど,ないな〜。と思…

稲村徹元氏

このまえ公文堂(鎌倉)で買った『辞典の辞典』,共編者は稲村徹元さんだった。なぜ「さん」なのか。それは何年も前いちど見たことあるから(笑。ひとりでお茶してたよ。 テツゲンさん,わたしにとっては異常に細かい書誌の作者という固いイメージしかなかっ…