書物蔵

古本オモシロガリズム

ついでに産経の記事も図書館史の観点でlibrary humorに

 書物耽溺 / 谷沢永一. -- 講談社, 2002.8

これも安く買いました。ちょうど探してたんすよ〜,よかった。東京堂ふくろう店の坪内祐三の棚で立ち読みして,これなぞまさに図書館本ということで。

なぜ図書館本かって? そう,いい質問です。全体としてはこれは本の本の書評集。でも重要なのことは,「図書館学の悪口がかいてある」ってこと。これ重要。

「図書館の参考事務は無意味である:植村長三郎「図書館学・書誌学辞典」」p.58-59

これを読んで思うのは,この主張の是非ではなく,図書館(情報)学で,植村長三郎やら毛利宮彦やら金森徳次郎やらを引用する論者がいるのか?ということだ。ゼツボー的。

なにも読まずに,ボクはこう考えた,わたしはこう思うってのばかりではないか。エッセイであろうとも,本をよんでそれに賛成であれ反対であれ触発されて書いたならば,言及すべきなのである。そんな文献の引用の網の目のなかでだけ,その言説の相対的なたしからしさは最低限,たもたれる。もともと文系のあらゆる言説は科学じみた検証ができないんだから。

図書館に文句をいうにしても誉めるにしても,なんらかのソースがないと。

ここではくわしく論じる余裕がないけど,ここで谷沢氏が展開してる論には半ば賛成だが,一部に留保をつけたいというところ。結論としては,リファレンスは意味あるよ。