このまへ京都で買った谷沢永一のブ厚い本を読んでいたら、古本屋さんの話がでてきた。
女房を質においてでも古本を(×o×)
「学者たる者は女房を質においてでも文献をあつめるべき」と谷沢は若い頃から考えていた。んで、昭和50年代初めに、長い間欲しかった雑誌『新潮』の大正以降そろいを、買った時のこと。
私は一銭もなしにこれを買ったわけであります。東京には扶桑書房という今岩波アネックスの上に店をもっている奇特な古本屋さんがあります。私はお目にかかったことはありませんが(以下略)p.640
「私の図書館への注文」『書誌学的思考』p.p66-647 昭和58年8月日本私立大学協会図書館司書研究会講演。初出:教育学術新聞』昭和59.3.14, 28
と、扶桑書房さんに電話をかけて、浪速書林に転売してもらい、そこから月賦で買いたいといったら、「そこまでおっしゃるんでしたらお支払いはいつでもお金がお出来になった時で結構であります」という返事。
「雑誌がドサンと」届いたそうな。
古雑誌が文学研究の一次資料
もちろん谷沢は代金を工面したが、それは蔵書を浪速書林に売ってのことだった。実はそれらは全集のたぐいで、「現在の学問の傾向として現在は全集で研究すべき段階ではございません」ということだったから。
しかし扶桑さんがアネックスの上(いまの秦川堂さんとこ)にいたとは知らんかったなぁ。