書物蔵

古本オモシロガリズム

稲村徹元氏

このまえ公文堂(鎌倉)で買った『辞典の辞典』,共編者は稲村徹元さんだった。なぜ「さん」なのか。それは何年も前いちど見たことあるから(笑。ひとりでお茶してたよ。
テツゲンさん,わたしにとっては異常に細かい書誌の作者という固いイメージしかなかった。
国立国会図書館に関する文献目録. 1948-1958 / 稲村徹元. -- 稲村徹元, 1962  超こまかい!
けど谷沢永一の 日本近代書誌学細見 / 谷沢永一. -- 和泉書院, 2003.11 に斎藤昌三の弟子だってでてた。ほんと? だとしたらイメージがかなり変わっちゃう。だった斎藤昌三って戦前からの超ゆうめいな書誌学者だけど,学者ってより愛書家で,エロ出版なんかにも通じてたような憶えが。むむむ。
そういえば 古本屋探偵の事件簿 / 紀田順一郎. -- 東京創元社, 1991.7. -- (創元推理文庫)  のあとがきに出てきてたよ徹元さん。作中人物のモデルになった謎の人物に会ったことがあるんだって。その人物は,エロ出版人で「医者でブン屋(新聞記者)でMP(憲兵)で」ってなぐあいの謎いっぱい。昭和2,30年代って,なんだかワケワカラン時代だったんだね〜。
古本屋探偵〜』は創元版がでたときに読んだことがあるのに,あとがきには全然きづかなかったよ。谷沢の,斎藤昌三の弟子って記述で改めて気づいた。不思議なひと。文春文庫版のあとがきにもっと詳しい話があるはずなんで,こんど探してみよっと。