書物蔵

古本オモシロガリズム

著作権法

著作権法がらみだと図書館業界に法匪がよく出る

行政省庁のホムペにこんなん書いてある!ってドヤ顔で文句をつけてきた御仁がをるけれど、同案件で最高裁のホムペに微妙に違ふことが書いてあった。法令は誰でも解釈していいんだけれど、最終的には裁判所の解釈が優先される。DVD廉価版の事件で文化庁の著作…

「多摩市立図書館複写拒否事件」と、レファ本

「大項目主義」とか「小項目主義」とかあるけれど、レファ本の1項目は1著作物なのか、といった疑問は、むしろここ20年の新しい問題だったりもする。 そのきっかけになったのが1993年7月下旬、多摩市立図書館の窓口で発生した、 「多摩市立図書館複写拒否事…

はぁバからし――図書館等に許された「資料保存のための複製」

〔文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の〕一昨年度の審議において、三一条一項二号に関して、(略)絶版等により一般に入手困難な所蔵資料についても、損傷等が始まる前の良好な状態で記録を後世に継承するために複製することは、図書館等に許さ…

にっくきは…

書物蔵 ‏@shomotsubugyo 2015年10月18日書物蔵さんがハマザキカクをリツイートしました各章ごと、先頭に著者名が配されてたら、章が一著作に認定されちまって、冊子の1/4しかコピーでけんよ(´・ω・)ノ しかしこの、章の先頭や目次に著者名があると独立著作認…

わちきの嫌いな読書観:図書館と濫読

わちきにとって、図書館といふのは自由に多量に即時に横断的に文献が閲覧できるべき場所であり、そこでは、居住まいを正すとか、正しい文献だけを見るとか、ましてや正しい思想を持つための修養の場なのでは断じてありえないのだが… けど、教育委員会の所管…

日本の著作権法と日本の図書館事業

オレ著作権法の話、キライなんよ(。・_・。)ノ だって図書館業界にちゃんと議論できる人、いないんだもん(へんてこな形でなら山本順一の問題提起がオモシロではあるが)。 でもつい見かけちゃたったもんだから、書く(-∀-;) なんか数日前から「森の図書室」…

「デジタル万引き」

次の記事でちとオモシロい言及があった。 「「来店客のマナーが悪化」75%/40書店に「読者・出版社のマナー違反」調査」『新文化』(3039)p.1(2014.7.17) 筆頭に挙げられた「商品内容のスマホなどのいよる撮影」は、〜日本雑誌協会は以前、これを「デジ…

剽窃の昔ばなし

通報によれば、稲葉振一郎氏のツイートで広まりつつある つぎの文献を、結局最後まで読んでしまった(^-^;) https://twitter.com/shinichiroinaba/status/454565710581084160 原朗「最終講義:開港百五十年史 : 小江戸・大江戸・そして横浜」p.20-21 1975…

「病的なマニュアル主義」が図書館界で発現するとイマドキは著作権法厨となる 2 ed.

ふと覗いたウチダ先生がおもしろいことを言っている。 現代日本のシステムがことごとく機能不全に陥っているのは、私の見るところ、この病的なマニュアル主義のせいである。 コミュニケーション能力とは何か?. -- 内田樹の研究室http://blog.tatsuru.com/20…

規則遵守を叫ぶのなら、「守れない規則」の廃止も叫べよ、という至極まっとうな話

松浦晋也さんのネット連載をフト読んで、我が意を得たりと思ふたことである。 (略)本末転倒の結果、為すべきことが為されなくなり、組織や国家が衰退に向かうなら、そもそもコンプライアンス強化などしない方がいい。 コンプライアンスの強化は、単に現場…

雑本、の大切さ

isbn:4-535-51232-9:detail 雑書が大切だ とは、谷沢永一もいっとったし、Mさんもよくいふところである。 雑書の定義なのだけれど、一定程度の普遍性を持つ学術の書(まあ、最近、にふぉんじゃあ、博士号濫発ではてなだけど)、定番の教科書、あるいは逆に、…

タダでしか本を読まん連中は、タダで読めなくなったら買うようになるか?→社会実験で答えが出た!

最近わちきはレファレンスのために「図書館資料論」を再編すべぇとて、日本出版史にかまけておるのぢゃが。。。 ひさびさにネットで図書館論そのものに重要な情報を見かけたので論評してみん(゚∀゚ ) 著作物の無料使用は厳罰に( ・`ω・´)b これぢゃ!(σ・∀・)σ…

しゅ、しゅごい(@_@;)

しゅ、しゅごい(@_@;) 青山賢治「版権はないのか:国会図書館の横暴」『出版ニュース』(2013年4月中旬号) 青山さんというのは、かの『大正新修大蔵経』の版元で、某館が断りもなく主力商品たる大蔵経の近デジを公開したのは海賊版だと抗議している(+o…

かつて国会図書館で投書や著作権法違反はどう扱われていたか。また調査員に発令されると行う悪習について

書庫から天国へ昇った人の話:追悼文集から図書館史トリビア しばらく前、神保町の古書展でだったか、ぐろりやさんに譲ってもらった小冊子を車中で拝読。なかにオモシロな記述があって、ゲラゲラ笑う(不謹慎?)。 いやこれは、自殺しちゃった人の追悼文集…

龍渓書舎事件、出版ニュース謹告事件

このまへMさんに拾ってもらった『出版戦争』小汀良久 著 東京経済, 1977.6. 166pにいくつかオモシロげな事件が紹介されていた。 そのひとつ。 龍渓書舎事件ないし龍渓書舎裁判というものがあったという。 ネットではこちらに少しあり。 http://www.nakano.ne…

一読の価値あり『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』

10年ほどまえから館界でも流行った著作権法についての議論は、議論というものではなく現行法の適用細則にすぎんので詰まらんかったのだが、やうやく著作権法論の本体のほうで有意義なものが出てきたやうである。日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか作者: …

昭和40年代、図書館現場で「全冊コピー」はできたか?

著作権法を現場に機械適用する館界議論の流行りにキョーミないんだけど(といふかそれは税金を濫費するマチガイだとさへ思う)、著作権法が館界で流行る前にどのような適用実態があったのか、についてはキョーミあり。ってか、わちきも当時影響された山根一…

実定法とMLA事業と、どちらが先か? 境真良(まさよし)氏の議論から

今朝、ある人に司書課程の教科書をもらったんだけど、その時、なんの拍子か(コミケだったか、図問研だったか、アホな図書館官僚だったか)次の本の話になる。デジタル文化資源の活用 地域の記憶とアーカイブ作者: NPO知的資源イニシアティブ 編,NPO知的資源…

剽窃は著作権法で罰せられない

社会評論家・きりとおしりさく氏のブログで、写真に関しそのやうな判決が紹介されていた(。・_・。)ノ http://d.hatena.ne.jp/PaPeRo/20101226 それできのふ森さんに話したことを思ひだした(*´д`)ノ 名和こたろう先生の「引用」についての単行本、買おうとお…

戦前(及び昭和31年まで発行)の写真絵はがきはパブリックドメイン

フシギな法解釈 ところでここ10年ほど第二次絵はがきブーム(といってもputitなんだけど)。

受入印が「2004.8.1」以前の本はすべて、今でも貸与権はない!?(゚∀゚ )

こんな名前の事件の判決があったそうな(*´д`)ノ 「北朝鮮の極秘文書」図書館蔵本事件 判決文→PDFなので注意 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100408163542.pdf 事件そのものは業界一部でうわさになておったね(・∀・) 原告が出した資料集がまるまる韓国…

図書館事業の課金問題

金沢文芸館の貸出停止 あの、道の角に立ってる元銀行だったっけ。 ネットの一部で金沢文芸館(金沢市)の貸出停止が話題となっている。 金沢文芸館では年間観覧券(一般1千円、大学生500円)または市文化施設共通観覧券(2千円)を持つ人を対象に館内図…

ビジネス支援が流行りだとして 附.著作権法議論の流行り廃り

GCWさんのエントリが「ビジネス支援」支援と受け取られてブクマがいくつかついたようである。(http://b.hatena.ne.jp/entry/5943342) 氏は必ずしも「○○支援」派と反対派(≒貸出派)を、敵・友関係と捉えるべきでないと言いたいようである。 「では何故,ビ…

【このウソ】本を館内で写メするのは問題ない【ホント?】

でもこれは、文化庁の見解ね。 問) 図書館の利用者から、自己が所有するハンディコピー機やデジタルカメラを持参して当館の図書資料を複製したいとの相談がありましたが、著作権の問題はありますか。 答) 利用者が違法に利用することを承知していながら複…

図録が安くて良いのにはワケが

書店で無料でしか手に入らないチラシ「これから出る本」にコラム「本の周辺」があって、そこに、展覧会図録についての提言があった。 樺山紘一「ミュージアム・カタログを市場に」『これから出る本』(2007.1上期)p.7 これを要するに、 図録は価値があるの…