書物蔵

古本オモシロガリズム

剽窃の昔ばなし

通報によれば、稲葉振一郎氏のツイートで広まりつつある
つぎの文献を、結局最後まで読んでしまった(^-^;)
https://twitter.com/shinichiroinaba/status/454565710581084160

  • 原朗「最終講義:開港百五十年史 : 小江戸・大江戸・そして横浜」p.20-21

1975年のことですが、私の作品の一つが他の研究者によって剽窃された際、その研究者が学界において果たしていた役割に配慮して、盗用を公然と指摘することをためらったことがあげられます。まだ公刊されていない自分の論文の構成を、ほとんどそのまま他人の著作の編別構成に利用されてしまったのですが、その結果、私は自分の最初の著作を著書として公表することも学位を申請することも断念することになり、以後私は学界における倫理の欠如と売名行為の横行に暗澹たる気分を抱いたまま、一切単著を出版せず、ただ共同研究の編集や資料集の出版のみに終始する態度を維持して現在に至ったのです。
http://gendaishi.main.jp/gyouseki/pdf/hara_pdf1.pdf

相手の名前も、ちゃんと文中にあるよ(σ・∀・)σ
そういや、この本を読んだことを思い出した。

満鉄調査部―「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊 (平凡社新書)

満鉄調査部―「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊 (平凡社新書)

わちきも、むかーし、これをやられてヤーな気分になったことがある。
ある勉強会で、ある論文を書いている時に気づいたあるアイデアを述べたら、それを聞いてた人が、その人にしゃべったらしく、その人のできそこない論文になったという。
せめてわちきの先行文献を引けばいいのに、まったく引かず(*´д`)ノ
いまでもそのヘッポコ論文*1自画自賛してて、あいかはらずno味噌なのね┐( ̄ヘ ̄)┌とあきれたが…
ちなみに、著作権法では、アイデアの盗用は著作権法違反でない(。・_・。)ノ
それを知って、ははぁ、なーるほどと思ったことぢゃった。
日本著作権法は、べつに文化を育成するのに十分な法律ではないということが、よくよーくわかった瞬間ぢゃった。
とこれは、わちきがむかし、研究論文も書き、日中は実務も他人以上にし、夜は業界団体でヴォランティアしとったまじめな図書館員だった時代の話(。・_・。)ノ
いまはせどり師なのでc(≧∇≦*)ゝ

*1:だって、先行文献、まったく参照しとらんのよ。