書物蔵

古本オモシロガリズム

出版史

出版研究所での雑談

銀座きのふは所用ありて西方へ進出す。 午前中、お昼はあわてて連載原稿を書く。いつも重たくなっていけやせん。 昼過ぎ、頼みとて銀座のアンリ・シャルパンティへ参り、お見舞い返しやお持たせを購入。 夕方はいつものクリニック。隣に座ってた人が同期にそ…

公文(布達)の印刷が明治初期出版社を育成した?

この前、某先生と飲んでいたら、明治初期の出版社発展には、教科書だけでなく、布達の印刷が重要だったのでは、という話になった。 それって誰か研究してますかね? いや、知らんなぁ。けど、佐賀県の例では700部刷ったという史料を見たよ。明治初期の官令は…

飯澤文夫氏の「続PR誌探索」

出版社PR誌について、こんなん読んだ(´・ω・)ノ 飯澤文夫「続PR誌探索」『日本古書通信』84(4)(1077)p.6-7(2019.4) ちなみにタイトルの「続」は大屋幸世氏が1988年に古通に連載したものを踏襲したそうな(´・ω・)ノ 『神保町が好きだ!』での座談会の折…

鉄道弘済会の取次業撤退

長岡義幸「流通」『出版ニュース』(2471)2018.2上旬p16で知ったのだが、『文化通信』(2018.1.15)によれば、赤字になりそうなので新聞、雑誌の取次業からやめるのだという。

フレーズ「雑高書低」は1980年から

わからんなぁ…1975年前後に、総売り上げで雑誌が書籍を抜いてゐるからその頃だろうと思ってはゐたが… なんと今、グーグルブックで判った(゚∀゚ )アヒャ 現代用語の基礎知識 1990年版. 自由国民社, 1990.1. 1348p ; 26cm 51 ページ 雑高書低”といわれるようになっ…

「雑高書低」という業界語がいつからか不明

目次レベルだと1980年代から見つかることば「雑高書低」雑誌は売れるが書籍は売れない傾向のことをいうらしいが。 1976年から雑誌の日本総売り上げが書籍のそれを上回る、ぐらいのことはすぐ出てくるんだが、この言葉が実際に1976年に使われていた事例が見つ…

「人文書」という概念は1960年代あたりから???

書物蔵:古本オモシロガリズム‏ @shomotsubugyo書物蔵:古本オモシロガリズムさんがking-biscuitをリツイートしました「人文書」の定義は辞書類になく、 ネットを見ると「人文学の書物」とか、「哲学・思想 心理 歴史 社会」の本とかされるが、なんとなくわか…

近代文学研究法の本に出版文化と書誌学の項が

こんな本にこんな記事が。 日本近代文学会 編. ハンドブック日本近代文学研究の方法 =. ひつじ書房, 2016.11. 254p ; ISBN 978-4-89476-812-3 : メディア・出版文化論 / 五味渕典嗣 ここで五味渕氏は、牧『伏字の文化史』と大澤『批評メディア論』を手がかり…

大学の出版学講座における出版史論のすすめ――わちきぢゃなくて(^-^;)

ひさびさにオモシロい雑誌特集を読んだ( ´ ▽ ` )ノ 『大学出版』第107号 [2016年7月25日発行] 特集:出版を教えるということ http://www.ajup-net.com/daigakushuppan 出版の現場と教育の現場 / 永江朗 永江氏は最初、出版人はOJTでしか育たないからあまり気…

近代出版史はしばらく趣味家やアマチュアでやるしかないと

ツイッターから(2017.9.11転記) 書物蔵(古本フレンズ) 書物蔵(古本フレンズ) @shomotsubugyo · 2016年8月13日 府川さんのプロフィールがあるな。某所府川コレクションにはホンタウにオドロイタよ(´・ω・)ノ しかし出版史研究といひ、活字印刷史研究と…

「近ごろ、出版業界を舞台にしたドラマや映画が、多いような気がする」

これ。 円満字二郎「出版創業者たちの物語(上) 」『図書』2016年8月 第810号 25-29 円満字は、 近ごろ、出版業界を舞台にしたドラマや映画が、多いような気がする。 と、「重版出来!」「とと姉ちゃん」「ファースト・クラス」「舟を編む」を挙げ、さらに…

戦前の出版統計の話

書物蔵@shomotsubugyo いま一番手頃な出版統計はこれなんだが https://pic.twitter.com/h9iiXXRWaA posted at 21:37:44 載っているのはどこの図書館にもある『日本出版百年史年表』の巻末なのはよいとして、これの読み方がちゃんと書いてないのよ(´・ω・)ノ …

文債、遅々として進む?(・ω・。)

あまり考へずにさらっと書けばいいものを… なれど、考へちゃふんだよなぁ… ぜんぜん進まんが、その分だけ、知識や気づきはでけたo(^o^o) いま生きてゐる人間で、誰も気づいてゐないことを気づいてゐるといふのは、こりゃ、ある種の悦楽であらう。 もちろん…

帝国図書館史、戦前期出版法制史、のナマ史料!!!\(◎o◎)/!

ほへほへーちかれたびー(~o~) window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitte…

彰考書院は昭和十九年三月

不完全なる1970年著作権法。 その不完全な法律は、実は文化庁の関連(?)団体たる日本著作権協議会とセットで完全にまはるやうになってたんだけどねぇ。でも、誰もいはんね。 書肆彰考書院は昭和十九年三月、企業整備により当時社主藤岡淳吉の経営する聖紀…

思想統制もマジメにやると現場はイソガシ・いそがし(^-^;)

戦前はちゃんとした(?)政治警察(トッコー)がいたのはご存じのとほり。 んで、つれづれに古本をあさるべくネットを見てたら、こんなんがころがってた(*´д`)ノ 情報係執務内規(内訓第二号昭和十一年十一月一日)http://www.digital.archives.go.jp/ これ…

杉原四郎の偉大と限界:あるいは『明治新聞雑誌関係者略伝』に載ってない雑誌記者、編集者を調べるには

『日本経済雑誌の源流』(有斐閣、1990.5)の書評 書評の評といふのはあるのだらうか(*´д`)ノ 大阪で三冊500円で買った中に杉原四郎の『日本の経済雑誌』があって、その伝で、杉原も合流した『日本経済雑誌の源流』(有斐閣、1990.5)の書評を読んでみたら、…

ほんと、みんなよー見つけよーつけるよ(・∀・`;) 饅頭本(*´д`)ノ

出版史の周辺にいる友人らがかやうな本につきわいわいと(^-^*) 廣瀬徳二の思い出 廣瀬芳子、 1979 初函314頁、小学館時代他 本郷保雄/横山光輝/赤塚不二夫/藤子不二雄、金沢文圃閣 6,680円 本郷保雄は『主婦の友』全盛期を作った編集者。 ほんと、みんな…

明治期法律書、警察行政書の出版社についての調べがあるみたい

オモシロいサイトみつけちった(^-^;) 広島大学法学部 旧・吉原研究室 http://home.hiroshima-u.ac.jp/tatyoshi/ どうやら、吉原達也という人の研究ノート的なものであるらしい。http://researchmap.jp/read0016906/ この人のHPの「法制史学者著作目録選」…

戦前期、出版業界誌の網羅的リストがこがいなとこに(@_@;)

書籍雑誌商資料 : 内地・植民地/1937〜41. 第2巻. 金沢文圃閣, 2004.11. 368, 30p 出版業界誌は1924(大正13)年12月に大阪で創刊された『出版タイムス』(新文芸社)がその嚆矢という。 (略) 当時の業界紙は“内報屋”“広告取り”と嫌われ、記事も不正確・憶…

東亰ステン所の地下街にて

地下街飲み屋にて、帰郷するT先生を送る。最初はせどり御殿に集合せんかと思ふも、やはり発着場そばが乗り遅れないだらうとて、ステン所そばの地下街にある飲み屋を使ふべ、ちゅーことに。 みなに集まるよう言ったら、書誌鳥が出先から直行。お店は玉乃光な…

佐藤卓己先生の岩波百年史を読み進む

これ、オモシロいなあ( ^ - ^ ) 岩波だけのことでなく、当時の出版背景もわかるし、なにより岩波を礼賛史観・顕彰史観でかいてないところがよい(o・v・o)b 「教育」の時代 / 佐藤卓己著. -- 東京 : 岩波書店 , 2013.10. -- ix, 378p : 挿図 ; 20cm. -- (物語…

出版業界誌をさがせ

法政大の大原社研OPACをさらってみたが、ほとんど労働系だなぁ。。。(´・ω・`) 文献と雑誌 大阪:民族文献社 所蔵巻号:5-6 1934-1935call no.前999-28 新経営 東京:出版経済研究所 No.491(1980)call no.向坂日本語雑誌 出版従業員組合会報 :出版従業員組合 所…

ヒトラーも確に聴け! 日本でも焚書!

この本(以下、「出版異聞」)を読んだが、結論にどうも納得がいかんかった(*´д`)ノ「大東亜戦争」期 出版異聞――『印度資源論』の謎を追って作者: 小谷汪之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/07/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見るこ…

『新文化』の歴史

『新文化』(3000) (2013.9.26)が3000号特集を組んでいる。ギョーカイのお歴々が祝辞を寄せているが、歴史について具体的に書いていたのは唯一、古屋文明(日本出版取次協会会長)という人だけであった(p.6)。 初代、丸島誠が新文化通信社を作ったのは195…

製紙、印刷、出版業界誌

業界紙・誌を探求するに事例として出版業界誌を探索しとるのはここだけの秘密ぢゃが(σ^〜^) 日本出版業界紙事始→1924(大正13)年、村田勝麿の「出版タイムス」でよろしいか? http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20120808/p1 とらえ方によっては、もち…

宮田昇『図書館に通う』の本当の論点→「ペーパーバック」革命未だ成らず!

『出版ニュース』の2013.8下旬号のとううんしせつに、宮田昇『図書館に通う』について、 日本でも英米のように、単行本をそのままペーパーバック化するのを早めれば、図書館で新刊待ちをする人はそちらへ流れるだろうと書いていたのについて書き落とした こ…

文献レビューは大事だよ〜(*´▽`):00年代の日本近代出版史学

こんなんよんだ。 掛野剛史「00年代の近代出版史研究」『出版研究』(43) p.3-23(2013.3?) いやぁこれは勉強になる。結構、知らなかった文献があるよ(*´д`)ノ これからのお勉強のためにメモせむ。 ご注意! 基本、読む価値のある文献は、上記、文献レビュー…

出版行政史「として」読める文学研究

まだない学問ジャンルたる日本近代書誌学において、出版史やそのサブ領域たる出版行政史はきはめて重要とは、これは言わんでもわかるわな(゜〜゜ ) 1990年代にあった日本近代書誌学協会の会報を大変な苦労をして(笑)極秘裏に入手して読むと(国会図書館…

すべては目録にはじまる?:趣味発、目録経由、研究行きo(^-^)o

うーむ(゜〜゜ ) なかなかに含蓄あるお言葉。。。 ちしめんどう・きゅうさいさんのHP「XX文学の館」(エックスエックスぶんがくのやかた、とでも読むのかしら? それともバツバツぶんがく?)を随時参照することがあるのだけれど、そこにある「別冊太陽「…