書物蔵

古本オモシロガリズム

2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

持ち込み

150冊ぐらい古本屋へ持ち込みをした。いまどき,持ち込み(売りたい本を直接,古本屋へ持っていくこと)して喜んでくれるのはブコフぐらいだけど… そこはそれ,ちゃんといろいろ考えましたよ。喜んでくれる本を喜んでくれるところに。店主になんか妙に誉…

森銑三の新刊

ほかにも友人の教えで,出たばかりの森銑三 『新編物いう小箱』 (講談社文芸文庫)を買う。これはめずらしく新刊。最近,めったに新刊かわないから……,ってフツーじゃない? 講談社文芸文庫は,学術文庫とおなじく高いが…,まあしょうがない。 ダスト・ジャ…

古書肆「したよし」の記

友人の影響もあって,伝記研究に興味がでてきた。 そのせいか,場所貸し古本カフェ「ハートランド」(西荻)で買った本を読み始めたら予想以上におもしろい。 古書肆「したよし」の記 / 松山荘二. -- 平凡社, 2003.3 1000円で 最近,古本の本がなんでも…

結論

西洋史の助手が,「大学図書館ってのは,1.5流の本が常に参照できるようでなけりゃ,その分野の研究はできない」って言ってたけど,至言なり。わては1.5流を2流に置き換えて理解してるなり。 気を付けないといけないのは,3流ではないということ。箸…

なぞとき

これの謎解きをしますと,まず,本質的な価値として(つまりアカデミズム上),サダオミ本が二流でナベキン本が一流ってのは今も変わりません。 ですが,古書価は絶対的価値だけでもないんです。需要と供給(ニーズと刷り部数)が影響します。 一流本は専門…

昭和平成古書価の研究:二流の本が高い

蔵書の整理をしていて思いだした。この前(2年前)の引越しの時にも古本屋へ持ち込みしたんだった。たしか,西洋史関係を神田の南海堂へ。 そこで面白いことあったよ。本を何十冊かもちこんだら,店の人(店主?),横にあった売らない本を指して「これは,…

引越が蔵書に及ぼす影響について

引越で腹がたったので,ブログ再開(笑) 引越すると確実に蔵書が減ります。 重いのなんのって…。手が痛くなるよ。紀田順一郎氏が,本は重いのが難点といってたけど,まことにそのとおり。私のような愛書家でも,投げ出したくなる!最低限のまじめな本だけ,…

引越で

追いつめられてきた。しばらくブログお休み

図書館時事 はぁヤダヤダ

このブログは古書店と図書館現象を愛するブログなんで時事ネタはほんとはイヤなんだけど… ちょっと前にサンケイ新聞ネタの,国会図書館長の待遇が良すぎ,との話をした。 わたしは「確かに今のように衆参事務局総長天下りなら高すぎ。むしろ大臣待遇にふさわ…

即売会のハシゴ(高円寺〜神保町)

10:00,いつもはオヤジッチの海になる高円寺の古書会館がガラあき。ちょっと「しまったかな」と。きっとマニアは神保町の方にいっているんだろうねぇ。でも… 目録学 / 倉石武四郎. -- 汲古書院, 1979.3. -- (東洋学文献センター叢刊影印版 ; 1) 1500円。安い…

石井桃子「子どもの図書館」(岩波新書)は二度と出ない?

聞いた話ですが,「ちびくろサンボ」が文中にでてくるだからだそうです。石井桃子全集に「子どもの図書館」はあるが,サンボのところだけカットされてるんだとか。いったいどんなふうにカットされてるんだろう。「○○○が,××して」なんてゆーよーに戦前内務省…

ハヤオ君の軍事まめ知識

ところで,air raid ってのは空襲ですわな。ですから,爆撃(bombing)とは違う(おそらく上位概念)。ということで,日本本土の初空襲はといえば…,昭和17年のドゥーリトル(B25爆撃機)によるもの,というのはマチガイ。初爆撃ならそうですが。 なんと,…

No more Kyoto?

そういえば,京都は爆撃から守られていたという話が,日本独自の流言(ウォーナー伝説)だったことを指摘した本をこのまえ読んでのけぞったよ。 日本の古都はなぜ空襲を免れたか / 吉田守男. -- 朝日新聞社, 2002.8. -- (朝日文庫) とってもオモシロイ研究だ…

[図書館]今日はなんの日?陸軍記念日? いやトウキョー・エア・レイド記念日

明治38年に奉天(Mukuden)を占領したから陸軍記念日らしいが,今日の新聞をみると,東京大空襲(Tokyo air raid)のことしか書いてない。わては帝政ロシアの軍艦ファンなんで,当時のロシア太平洋艦隊のことならわかるけど,陸軍はわかんね。 で,今日は…

売ったと思っていた本が…

出てきました。整理してたら(笑)。 ギボン『ローマ帝国衰亡史』全10巻(岩波文庫) 岩波文庫60周年記念復刊 函帯元パラ いまこれは古書価が下落してますねぇ。5〜3千円かな。 でも,あちきが欲しいと思った時には天井だったんだす。高校の時,モンタ…

セドローさんちで図書館本ほりだし

用事ついでに寄った早稲田古書街で,ひょっと見たら,つぎの本が。 知識の設計 / 佃実夫. -- 文和書房, 1973 6年後にでた増補版はもってるけど,こっちの箱入り初版も欲しかったんだす。ツクダ・ジツオさんは日本レファレンス史上,志智嘉九郎の次に重要人…

大橋図書館の思い出:澁澤龍彦の仮性図書館本

昭和二十二年ごろ,当時旧制高校生であった私もまた,この図書館にかなり足繁く通った記憶があるのである。まだ焼け跡のなまなましい戦後二年目の東京でめぼしい図書館といえば,上野の帝国図書館(現在の国立[ママ]図書館)をのぞいては,この大橋図書館と…

真性図書館本ほりだし:東京市立図書館

所沢の即売会場(くすのきホール)から帰ろうとしたら,意外なものがひろえました。真性図書館本。 エレベータのまえの台に,むぞうさに置いてあったんを帰りがけに発見! んー,やっぱり即売会は悉皆調査(どの棚にもすべてあたり,背文字の有無にかかわら…

一般書ほりだし

いまをときめく?西武鉄道の本拠地,所沢で古書の即売会。その名も「彩の国古本まつり」 行くまえに,わたしなりに戦術を考えただすよー。わての戦術は… 「単行書より文庫を先に廻る」だす〜 これにはそれなりの根拠があるだす。まずこの即売会では,文庫・…

記事予告ばかり増えて

書かないといけないんすが。引越の準備などあり。特に記事には必ず書誌を1件でも載せたいんすが,それがむつかしくなりつつあり。本を縛らないといけないのに,またどんどん古本買ってきちゃうのも混乱に拍車をかけるなり。でも,今日もまた即売会(所沢)…

また荻窪いったら

火曜は定休だって(´・ω・`)ショボーン 最近は気分がおちついてきて,ブログではじけらんなくなってきた。これはよいことかも。

荻窪で掘り出しウハウハ

ついでに寄った某所でお宝ザクザク〜o(^-^)o ワーイ 日本の紙・紙漉村旅日記 / 寿岳文章,寿岳しづ. -- 講談社, 1994.4. -- (講談社文芸文庫) 外来語の話 / 新村出. -- 講談社, 1995.9. -- (講談社文芸文庫) 詩文選 / 吉川幸次郎. -- 講談社, 1991.10. …

読んでみた古本屋社会学本 う〜んこれは

ある人の示唆をうけ,読んでみた。古書業界の社会学的記述がほしい!と叫んだ直後だったんで。「日本の古本屋」開発状況についてはまとまってて読みやすい。ありがたい研究だと思ったけど… 花岡幹明;桃塚薫「組織における「オルト・エリート」と情報化につ…

買えなかった図書館本

某所で友人と会う。昨日の高円寺の古書会館に私の帰った直後に現れて,わたしが真性図書館本(なんじゃ?そりゃ)とみなす本を掘り出したとのこと。ガ━━(゜Д゜;)━━ン! 2,3度まわったのにぃ〜 図書館本はどうせないだろうと思ってたのが油断のもとですた。…

上下関係のない近代組織があった?!

革命の軍隊 / 湯浅赳男. -- 三一書房, 1968. -- (三一新書) ほかにも,おなじ三一新書の『忍法』を買う。われながら趣味がはちゃめちゃ。 赤軍史は,さすが革命軍,上官部下といった階級を廃止したことがあって要注目(この本に書いてあるかは未見)。社会主…

もうひとりの稲村さん,十進分類に挺身す

研究と動員 / 稲村耕雄. -- 日本評論社, 昭和19. -- (日本評論叢刊 ; 5) を西部古書会館(高円寺)で買う。姓にひかれて本をひらいたら,2章ほど十進分類について書いてあったんで図書館本に認定。カードをつかえ,とかUDCをさかんに誉めていたりしておもし…

雪の降るなか買った本

コナン 東亰にしてはめずらしく雪のふりしきるなか,神田の古書会館「紙魚の会」へ。5千円ほど買えました,ウレシ。やはり即売会は「通う」ものです。これから先,死ぬまで通いつづけたい,などと思ったりもして… 会場には10:05に(雪で電車おくれ)。人は…

芸亭院(うんていいん)とうちゃくぅ〜

来たよ,来ましたよ,うんてい院 はぁ,大枚はたいて買いましたよー いつも1冊あたり数千円しかつかわない自分としては張り込みました。でも,これでも安めがみつかったんで(^-^) 芸亭院 / 桑原蓼軒. -- 芸亭院創始千二百年記念会, 1962 著者の「クワバラ・…

古本業界の分析的記述は

けど古本業界の構造的な説明とか分析的な説明ってあんまない。紀田順一郎さんのは,おもしろくするためか叙述的だし。けど,このまえ買った本の最後に分析的な記述があってなるほどと 神保町の蟲 / 池谷伊佐夫. -- 東京書籍, 2004.11 メインは各店の細密イラ…

2種類の収集家

株式の購入に機関投資家と個人投資家があるように,古本の購入にも機関収集家と個人収集家があるとおもいます。 機関収集家は,大学に請求書をまわせる人(大学教員)。 個人収集家は,身銭を切る人(非常勤講師や院生 日曜研究家 愛書家) そう考えれば早川…