書物蔵

古本オモシロガリズム

No more Kyoto?

そういえば,京都は爆撃から守られていたという話が,日本独自の流言(ウォーナー伝説)だったことを指摘した本をこのまえ読んでのけぞったよ。
日本の古都はなぜ空襲を免れたか / 吉田守男. -- 朝日新聞社, 2002.8. -- (朝日文庫)
とってもオモシロイ研究だけど,おなじ材料ならもっと面白くかつ落ちついたものができるんじゃないかと。あと,伝説を暴露したあとで,それをGHQのせいにしている部分は説得力に欠けると思った。
著者は,「あなたはナショナリストだ」と罵倒されたんで「自分はインターナショナリスト」だって反論したそうだけど,インターナショナルって……それはそれで政治的スタンスの表明(笑)。だからアメリ陰謀論にはしっちゃうんでは。著者は一途すぎ…(笑)
白木屋ズロース伝説を暴露した井上章一みたいに,レトリカル書いてくれたらもっと面白かったのに…