書物蔵

古本オモシロガリズム

雪の降るなか買った本

コナン

東亰にしてはめずらしく雪のふりしきるなか,神田の古書会館「紙魚の会」へ。5千円ほど買えました,ウレシ。やはり即売会は「通う」ものです。これから先,死ぬまで通いつづけたい,などと思ったりもして…
会場には10:05に(雪で電車おくれ)。人は少なかったです。やっぱり雪のせい? 珍しく若い女性がいたのですが,よくみると探書ノートを持たされ,おじいさんのお供(笑) けどおじいさんに対するおもいやりがなんとなく感ぜられるような付き従い方でした ほのぼの…
内藤湖南全集. 第12巻 / 内藤虎次郎. -- 筑摩書房, 1969.6(第3刷:1997.10)  裸本 書き込み
これに載ってる「支那目録學」が欲しかったのです。シナ目録学がいったい西欧流の書誌学といかにことなるかという疑問があり,友人に基本的な本を教えてもらったんですが,そのひとつがこれ。会場にはいってスグ,湖南全集の端本があるので,もしや,と思い手にとったんですが,ドンピシャ。書き込み等もあり,安かった〜 2千円いきませんでした 書き込みで高い本が安くなるんなら,どんどん書き込みしてほしいです

大蔵経

近代日本大出版事業史 / 杉村武. -- 出版ニュース社, 1967  箱コワレ
一大叢書。個人でもつことはできませんが,いやしくも参考図書館を標榜するところならば,あるはずのものたち,についての本
フランスの百科全書なんかは,もともと近代社会のツールとして興味があったんですが,大正版大蔵経とか国民文庫とかをサンザン運ばされ,「これってどんなもんなのかな」と疑問をもっていたので…。これで答えがわかりますね。
この本,最初,ほかのお客さんが持ってたんですけど,あとをつけてったら棚に戻してました。すかさずゲット(笑)。1260円。や,安い〜(^-^)

つはもの文庫:帝国陸軍にも軍隊図書館があった!

さてさて,つぎもスゴイよ
武漢兵站 / 山田清吉. -- 図書出版社, 1978.12  著者サイン
支那派遣軍慰安係長の手記」とカバー(のみ)にある。これも友人から教えをうけたもの。なにがって,「つはもの文庫」です!
現代日本の図書館学にぜんぜんでてこない主題が軍隊図書館。まぁ,法制度上,日本に軍隊はナイことになってるんでしょーがありません(ホントか)
憲法下では陸軍も海軍もあったんで(空軍はナシ),軍隊図書館が当然ありえたんですが,その具体例については知りませんでした。けれど,博識の友人に教えられたというわけ\(^▽^)/ワーイ
大正時代に米国の軍隊図書館の話が専門誌で紹介されたり,岩波文庫が慰問用でくばられたりって話は有名ですが,帝国陸軍にも軍隊図書館があったとは。
帰ってきてよくみたら,著者のサインもあるじゃん。これはオトクな520円。
ちなみに軍隊図書館でなく軍事の専門図書館としては,たしか明治の始めから海軍省に文庫があったはず(資料さがしたけどみあたらずスマン)。軍隊図書館は兵隊さんに奉仕する図書館ね。

月の輪

古本屋月の輪書林 / 高橋徹. -- 晶文社, 1998.6
これも安かったんで。(立ち読みで)だいたい知ってたけど(笑)。読んでみるとやっぱり古本屋は一にも二にも仕入なんだなぁ〜とつくづく。
この古本屋さんは,販売用古書目録(ふつうタダで配る)に定価をつけられる(ほどの出来)という点で有名。東京堂ふくろう店で直売してますね。目録論がらみで注目しているとこ(実際には買ってませんが(汗))。
なかに,水道管からの水漏れで蔵書が冠水する話がでてくるんだけど,保険の話がでてきますね。蔵書と保険については,紀田さんの1970年代の記事以来,日本国内で2度目の記事だす(正確には戦前に1件あり)。
ほかにも,『新聞の読み方』『伝記文学の誕生』など買えて満足まんぞく。