書物蔵

古本オモシロガリズム

住民図書館の歴史が異常にオモシロい(≧∇≦)ノ

これが異常にオモシロい(≧∇≦)ノ
まあ、出版史や図書館史にからんでの面白さなんだけどね(゜〜゜ )

紹介してくれた人曰く、、、

(著者、丸山尚の)經歴の振り出しが總會屋雜誌『現代の眼』編輯部から始まり、美作太郎舊藏書にあった『考える』誌の「明日のジャーナリズムを考える会」や現代ジャーナリズム出版会等の内部事情を詳しく語ってゐるのが、小生には嬉しい。後半、國會圖書館がカナダで日本のミニコミ收藏に協力した話も、知らなかったし。

一時期、岩波の『世界』なみに有名だった総合雑誌『現代の眼』とか『月刊ペン』とか、あれみんな総会屋雑誌だったんだねぇ( ・ o ・ ;)
って、知ってる人は知ってるよね(σ^〜^)σ

丸山 現代評論社はいわゆる「総会屋」が経営していました。木島〔鬼島力也〕が総会屋です。総会屋のことを業界用語で「トリ屋」というんですが、企業から広告、協賛金名目でカネを巻き上げるために新聞、雑誌などを出すんですね。まさにただどりするから「トリ屋」です。そのために雑誌が必要になる。

木島はあからさまな人心操縦術をやります。部員の1人を飲みにつれて行き、1人にシャツを買ってやり「どうだ、あいつは最近一所懸命やってるか」などとやります。また、自分の力を見せつけるため、誰かをヤリ玉にあげ攻めます。まるで総会屋が企業の担当者を締め上げる技法に似ていました。(p.179)

わいわい、「トリ屋」ぢゃ。
あゝ、さう云やぁ、「明日のジャーナリズムを考える会」なんちゅーもんも、ころがってたね。メディア論関係の出版物をだしていた「現代ジャーナリズム出版会」についても内部事情が語られていてオモシロ。
わちきのバヤイ、図書館史のネタもあって、一粒で二度おいしい。

田中角栄が総理大臣のときにカナダを訪問して、そこで文化交流の道がついて、日本とカナダで図書館員をこうかんするという事業がありました。図書館からの所第派遣員は安積暁、2代目は安江明夫、美濃部都知事の特別秘書を務め、岩波書店に戻った安江良介の弟です。そして3代目は、現在文芸評論家の加藤典洋

へーぇ、これは知らなんだ(・∀・`;)
いやサ、国会がモントリオールやらメルボルンやらと人事交流してたのは知ってたケド、モントリオールで何をやってたかまでは、知らんかった。
ってか、ミニコミを集めるなんて、いいことやってんぢゃん(σ・∀・)σ
ちょっと不思議なのは、初代の「安積暁」なる人物が、家蔵の「職員名簿」に見当たらないこと。いやサ、昭和50年12月1日現在の名簿には、p.75にたしかに安江なる人物がケベック州に派遣職員としていると記載があるのだけれど、その前年の昭和49年12月1日現在の名簿には、ケベック州に派遣になっている職員が見当たらぬ。派遣職員は各部局の最後のところに掲出されとるらしく、全部局をいちおー見たのだが。。。
それはともかく、コレクションは〜(σ・∀・)σ

――ミニコミを送って、向こうからその後、やりとりってありましたでしょうか。
丸山 ない。その後どうなっているか。〜僕らが最後に送ったのが、〔19〕81年ぐらいかな。あれだけ膨大な日本の住民図書館にもない資料が、創刊号から欠号がないのが全部行ってるわけ。〜今どうなってんだろう。

ほんと、「今どうなってんだろう」?(。´・ω・)?
ミニコミや同人誌の所蔵調査って、結局のところ、徒労に終わることを見越して、『ミニコミ総目録』などの目録を順番に引いて、「はい、見あたりませんでした」という合理的に正しい答えをだす儀礼みたいになっちゃってんだけど(あゝ、日本の古本屋も引くべきだった)、もしかしたらモントリオールに1970年代のミニコミ一大コレクションがあるかも、なんて、ロマンだなぁ(σ^〜^)σ
ってか、ながくて、あまりにおもしろなんで、つづくo(^-^)o

読了

いやぁ、オモシロかった。
こりゃー聞き書きするほうも、相当に資料を事前に読み込んでるね。住民図書館の機関誌なんか、丸山氏に見せてもらったのかしら、それとも道場氏が古本で買ったのか(。´・ω・)? ウワサでは南陀楼氏と同様、大変な古本猛者とぞ。
図書館史としては、浪江ケンの傑物ブリやら平川チヒロの堅実ぶりやら加藤テンヨーの脇役ブリやらがオモシロかった。
わちき的には、図書館員の奇人、知念政光が副館長を任命されたのにトンズラこいたエピソードがオモシロかった(゚∀゚ )アヒャ
この、知念政光てふ人物、表の図書館史ではまったく無名なのぢゃが(゜〜゜ )
http://suzan520.at.webry.info/200711/article_1.html
「彼は昔東京品川の図書館で働いていたと聞いた。和図書、洋書の目録はお手の物であった。AACRにも強かった。」と上記ブログにある。
つぎの文献で紹介されているとて、みたらば。

  • 細井冨貴子「むだ書き」『季刊銀華』(39) p196 (1979.9)

昭和5年生まれで、日本史を専攻したとある。品川区の図書館に居たことがあるとは、丸山の弁。

交鈴社 出版書目

おまけで丸山尚がやってた出版社(といっても、講演会がらみでの直売しかしないから取次を通さない)の出版物一覧をむりやりこしらえてみた。国会にもあんまりないのー(*´д`)ノ

  • レイアウト、見出し実例集 日本ミニコミセンター編 交鈴社 [1973] 実用編集シリーズ 3
  • 校正実務 ETRグループ編 交鈴社 1974 実用編集シリーズ
  • 企画立案の方法 丸山尚著 交鈴社 1976.6 実用編集シリーズ
  • 私の編集術 上手な出版物づくり・95のポイント 本多清、 交鈴社 *昭和54年 初版
  • レイアウト技法 本多清著 交鈴社 1979 第2版 実用編集シリーズ
  • 住民とつくる広報紙 : "参加時代"の広報活動をどうすすめるか 丸山尚著 交鈴社 1979.10 実用編集シリーズ 7
  • 文章の書き方、直し方 : 誰にもわかる原稿の書き方とリライトの方法 丸山尚著 交鈴社 1980.8 実用編集シリーズ 4
  • 取材の実務 : インタビューからアンケート取材までの手順. 藤井能成 著. 交鈴社, 1980.5. 267p ; #
  • 実例・ビジネスの文章術 :. 酒井泰之 著. 交鈴社, 1980.8. 118p ; #