書物蔵

古本オモシロガリズム

戦前雑誌の鉱脈としての文学館資料

文学館には原理的な疑問(再論予定)もあるが、なんで文学館にわちきが興味があるかといふと、具体的な期待があるからなのだ。

戦前雑誌、(文学)同人誌の類が埋もれているに違いない。

から。
総合雑誌、学術雑誌は大学図書館に結構あるし、webcatで捕捉可能になってきた。けれど、そうでない雑誌、具体的には、人文系の雑誌、趣味誌、業界誌、同人誌の類が見あたらなくて困るのだ(´・ω・`)
これらの軟らかいジャンルの雑誌を収蔵する可能性があったのは、ほんとは内務省図書館(書庫?)や帝国図書館だったわけだけど、内務省の雑誌は大震災で消失し散逸し、帝国図書館には内務省から雑誌が送られておらなんだ。当時、図書館は価値論(良書主義)で資料を集めとったし、要求に立脚する貸本屋の蔵書は、単行本主体でかつ、残っているものは明治期廃業の大惣本ぐらいではあるまいか。創刊号を中心とする個人の雑誌コレクションだって残っておるのは微々たるもの。いや、たしかに創刊号コレクションは戦前雑誌への手がかりにはなるのだが…
で、結局、現在いちばん期待をかけているのが文学館の雑誌蒐集。おそらく個人蔵書のなれのはてとおぼしき古書市場から集めたり、関係者が持っとる(完全に近い)揃いを寄贈してもらったり。
本当なら、国会図書舘とかゆー日本国立図書館が責任をもつべきなんだろーけど、あそこが戦前雑誌の端本や単行本の欠本をこまめに集めてるなんて話、古書業界ではぜんぜん聞かないのはなぜ?どうして? むむ、ここにも法匪の影? それともセンスがないだけなの?
とゆーことで、たしかに量的にはイの一番にNDL-OPACにあたるべきなんだろーけど、いま真面目に戦前雑誌のことを考えている機関は図書館でなく文学館だと、わちきは思ってゐる。