もう半年もまえの話であるが、古書合戦をやった。金沢文圃閣主人、森さん、それに友人Aがせどり御殿にて茶話会を。書誌談義が果てしなくもりあがり、さらにご主人にヱを見てもらえたのもよかった(^-^*) いつまででも話していたかったけれど…(* ゚ -゚)
そんなかで、ちやうどわちきが興味を持っていた話題を森さんに振ってもらったでし(o・ω・o)ノシ それが…
「創刊号」コレクションの意義
いまにいたるも話題なり
あたかもよし、
創刊号コレクションを公開します!(江戸博)
江戸東京博物館図書室では、新たに収集した雑誌創刊号コレクションの一部を下記の予定で公開いたします。
http://d.hatena.ne.jp/ALCopac/20100316/1268720466
とか、
お宝雑誌2300冊 後世に 収集40年、図書館に寄贈(河北新報)
雑誌「仙臺(せんだい)文化」の編集人で、近代出版史研究家の渡辺慎也さん(78)=仙台市太白区=が、約40年かけて収集した雑誌約2300冊を東京都立川市の多摩図書館に寄贈する。大半が創刊号で、…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100318-00000031-khk-l04
などといった報道が目につく。
けど、個人が趣味で創刊号を集めたり、そのコレクションが展覧されたり収蔵されたりすることは、実は大昔からなされていたことなのであーる。
創刊号所蔵リスト(書誌)の書誌
創刊号ってば大抵は雑誌。創刊号コレクションがこの世にありとせば、それは、展覧会目録か蔵書目録の形でその影ができるので、コレクションを射んとせば、まず目録を射よ、ぢゃo(^-^)o
ではさっそくアマケイの書誌の書誌をば。
050雑誌>特殊主題・特殊事情>創刊号 (p.99)
明治大正昭和新聞雑誌創刊号展総目録 東京堂小売部 (東京堂月報 昭5.2 第17巻2号 p8-13)
(4)慶応2‐昭和4.12 (5)1804点 (10)昭和4.12.29-5.1.15
◎明治二十年以前発行邦文雑誌創刊号展覧目録 福岡:九州帝國大学附属図書館編・刊 昭14.5 12p 菊半裁判 (4)→明治20 (5)26点 (7)解説付き (10)昭和14.5.14
◎創刊号雑誌展覧会目録 高岡:市立高岡図書館
(4)文久2-昭和6 (5)約1100点、洋雑誌92点 (6)年代順 (10)昭和6.11.5-7 (12)所蔵者明治
どうやら1929(昭和4)年末から翌年にかけて、「明治大正昭和新聞雑誌創刊号展」という展覧会が東京のどっかであったらしい。
さっそく『日本出版百年史年表』をひもとくと(布川角左衛門さんに感謝!)、
12.29 東京堂小売部が改築開店、常設展覧会の第1回催物として<新聞雑誌創刊号展覧会>を開催、1804種を陳列。(p.439)
とある。
あと補完的に国会のOPACを引くと、次のようなリストを得ることもできる。
- 明治百誌解説 / 武田正義. -- 富貴書房, 1951.11
- 秋山コレクション. -- 西宮市立図書館, 1974
- 雑誌創刊のタイムテーブル. -- 全国出版協会出版科学研究所, 〔1975〕
- 雑誌・創刊号蔵書目録. -- 大塚文庫, 1986.7
- 宇都宮市立図書館所蔵雑誌創刊号解題 / 宇都宮市立図書館. -- 宇都宮市立図書館, 1988.3 ※明治-昭和30 308点
- 私の創刊号物語 / 大久保栄吉. -- 〔大久保栄吉〕, 1989.5 -創刊雑誌を刻む戦後50年 / 東京経済大学. -- 東京経済大学, 1995.11
- 東京都立多摩図書館雑誌創刊号コレクション目録. 1997年12月末現在 / 東京都立多摩図書館参考奉仕課. -- 東京都立多摩図書館, 1998.3 ※戦後1911点
- 選書用見本創刊号-相原コレクション. 1 / 愛媛県歴史文化博物館. -- 愛媛県歴史文化博物館, 1998.2. -- (愛媛県歴史文化博物館資料目録 ; 第1集) 内容細目 : 絵葉書 ; 創刊雑誌
- 宮崎公立大学716田中薫研究室所蔵雑誌創刊号目録 : 創刊号に見る戦後日本の雑誌 / 田中薫[他]. -- 増補改定版. -- 書肆緑人館, 2002.6
ということで、結構いろいろ創刊号コレクションはありそうである。ただ、イチバン有名だった創刊号コレクションはといへば。
散逸した大塚コレクション
創刊号コレクションで有名だったのは、きちんとした蔵書目録がでた大塚コレクション
・雑誌・創刊号蔵書目録. -- 大塚文庫, 1986.7
もともと文学青年で雑誌好き。引っ越しのたびに、雑誌は棄ててきたが、創刊号だけは手元に残してきた。(朝日新聞・昭60.6.9記事を上記目録に転載したものから)
収集開始は、1975年前後で、10年で6000点集まったという。
ところがこのコレクションはなんと散逸してしまったとぞ。
とりわけ,大塚文庫は,平成4年に古書市場で処分された(日本古書通信1992年12月号p22-23所収の大塚正基「大塚文庫」顛末記参照)とはいえ,蔵書目録の収録点数が7000点余,最終的には12000点(うち昭和20年代までが6000点)に達したというコレクションであり,その蔵書構成と比較検討するだけでも興味深いと思われる。
(吉田勝栄「調べがたりない:岩波書店編集部編『創刊号のパノラマ』を読む」『[書評]のメルマガ』vol.184(2004.10.19)[あえて長文号])
http://back.shohyoumaga.net/?eid=4472
ああ! なんで散逸しちゃったのか(*´д`)ノ
いやサ、これには理由があって(。・_・。)ノ
じつは、大塚さん自身が、なんとなく趣味であつめた創刊号コレクションにどのような社会的意義があるか、自分で自身がもてなくて、専門家に自分を説得してほしい、ぐらいに思ってたのに、そうゆー専門家がいなかったからなのだ。
わちきが言ふよ
といふことで
(かきかけ