書物蔵

古本オモシロガリズム

図書館は本屋だ! 附.閉架雑誌の愚

えー,じつはホンモノの図書館ってあんまり好きじゃありません(笑。
育った家のそばに公共図書館がなかったってこともあるかも…(30分あるけば,旧・東京市立図書館があったけど)

近所の図書館が使えなかったこと

これでも引っ越したときに,駅前の図書館をつかおうと思ったんですが…
どうも読みたい本がややハイブラウなものらしく,昨今の公共図書館ではいれてくれません。「これぐらいならあるだろう」と思うものが,ないのです。
いちど,中央公論(新)社の『日本の近代』全16巻を読もうと思いました。これぐらいならあるだろうと。
でも,なかったです。結局,どうしても読みたい巻だけ買いました。
あと貸出期限切れの督促電話があまりよくなかったんで,なんとなくいかなくなりました。5年間もすんでたのに残念でしたね。

大学の図書館が使えたこと

いまは全然いきませんが(ちょと遠い),大学の図書館はよかったです。これは機会があれば自慢してしまいます〜。まぁ,米国のふつうの大学ぐらいのもんなんでしょうけど,日本ではかなりよいほうだったと思いますよ。
まず洋書。洋書を買おうと思ったですが,当時,海の彼方からとりよせる(まさに舶来)のはよっぽど勇気がいりましたです。で,どうしたか。大学図書館で現物をみて,「これは手元に」と思ったものを注文。
あと雑誌ね。雑誌のバック・ナンバー。坪内祐三も言ってたけど,これが開架されてれば大いに使える。わたしゃ,趣味につかいました。
まず文庫あつめ。当時,荒俣宏が「岩波文庫はオモシロイ」と書物誌『Bookmanでブチあげる一方,すこしづつ復刊もでてました。(むかし岩波,いま中公)
で岩波のPR誌『図書』をかたっぱしから,それも広告欄をみた。われながらヘンテコな使い方をしたもんです。定期復刊は1982,3年頃からはじまってるんすが,もう復刊されているかどうかで店頭の絶版文庫の相場もかわってきますからねぇ。
復刊ってぇのは,体系書誌学じゃ初刷りと同じ本でしかないから,OPACじゃ情報がつかめないんすよ。まわりに読書人の先輩がいなかったわちきは,しょーがない,いろいろ自分でしらべるしかないわけだわさ。
ちなみに,某国立図書館では,岩波文庫の初刷りをいまだに閲覧に供してて,ボロボロ。だれか復刊を寄贈してやれよ〜(わたしゃ絶対イヤですが・笑)。もちろん,新刊在庫のある文庫・新書を国立図書館に使いに行くってことも,相当な罪です。
図書館は本屋だ,ってのは,見本展示場として,商品データの確認所として使えるというわけ。

そんな雑誌も開架じゃないと使えないこと

雑誌は文字通り雑多なことを記しているから後世,多面的な使い方ができますが,坪内氏もいうように,そーゆー使い方をするには開架でなけりゃなりません。
欧米の自然科学雑誌ならいざしらず,国内の雑誌は索引,ぜんぜんダメですから。大宅文庫や国会の索引もそれぞれ短所があるし。やぱ通覧。ブラウジング。これっきゃない。
じっさい,ある調べもので協会の『図書館雑誌』の広告をしらべたことがありました。日曜のカウンターが混んでる時,近所の大きめの図書館にいきますた(勤め人なら土日にしか行けませんものね)。
行って,「あぁ,これは失敗したな」と。こりゃぁお互いに迷惑なだけだなーと。
出納なんです。書庫出納! もうね。ガックシきたね。ここは国会図書館なんかいと。
いいですよ〜。古今東西・森羅万象にリファーできる(はずの)正職員が,出納員と化してくれましたよ。すごい。一冊一冊にむちゃくちゃ手間賃が…(泣,日本はほろびるね。
ブックトラックに1杯,製本雑誌が運ばれてくる間に,そんなこと考えてた。
どうもそこは,当初の公開書庫を,雑誌のバック・ナンバー置き場として閉架にしてるみたい。むこうも大変だし,こちらも大変だし。いいことなし。雑誌の端本だけもってくようなアホいませんって(ほんとか)。
調べモノの極意は(書架のあいだでの)立ち読みにあり。立ち読みが許されぬとすれば,それは調べモノをするな,というに等し。

思うんだけど,図書館員ってアフォ?

アホというか,自分が調べモノや書きモノをしたことがないタダのヒト(ふつう人)が多数派なんだろうね。だから,ブラウジングや,クロス・リファレンスが,それらに必須だってことを知らないし,説明されてもわからないんだよ。
教科書読んで,参考書(参考図書,じゃないよ)読んで,小説読んで,マンガ読んで,ってーのがふつう人。べつにフツー人でもなんらやましいところはないけれど,ふつう人が図書館サービスを設計するなっちゅーの。
いま司書資格って,たしか大卒じゃないと取れないけど,大卒だっていまじゃ卒論ナシですんじまうとこ多いし。資格要件に,学士号じゃなくて卒論を課するべし!
論文や調べモノの経験があれば,べつに高卒・中卒でもいいのよ,ほんと。
べつにすんばらすぃ〜論文を書けってわけじゃなくて,ダメダメ論文でいいんだよ。
ネットじゃどれだけマトモな情報が手にはいらないか,単行書や雑誌は,実はどんな使われ方もあるのか,締め切りに追われた調査者の前で,図書館員がどれだけ無情なまねをするか,などなど,ほねみにしみてほしい,それだけなんだわさ。