書物蔵

古本オモシロガリズム

 一般人向けの図書館本

まえせつ

いままで買った本はすべてとりあげてきましたが,友人の反応をみてみると,そんなに細かくチェックするものでもないらしい…… んで,読みやすいようにします。読みやすくするには,情報量を減らせばヨイ。とくにおもしろげな本に限りますね。さらに,項目もこまかくつけてみますた。

おやじぃーの海だぁ〜♪

今日は高円寺の古書会館で「杉並書友会」という即売会がありました。寝坊したけど開場時間(10:00)についた。
オヤジの海……
むかしの唄にこんなフレーズありましたっけ。漁師がプライドをもって漁に出る,ってなカンジでしょうか。でも,ここでは,これはレトリックというよりも実態なんす(笑。文字通り,オヤジッチがおしあいへしあい数十人。すごいよ。女性はひとりもいない。もちろんもうすこしすれば,わても仲間になるんだけど。
開場と同時になだれこむんだけど,ここは下足をぬいであがるとこだから,あぶない。店番のひとが「止まったらむしろあぶない」って言ってた。
でもわてがホントに探してるもの(図書館本)は競合相手が多い領域じゃないんで,突撃するほどのことはありません。まぁ,安い書誌学の本とかなら別ですが。
でも,おもしろいから一緒にト・ツ・ゲ・キ!!!
はぁ,やっぱり探してるようなものはなかったすね〜。でも,がんばる。がんばるって何を?そりゃあ同じ会場を2度も3度もみて回ることですがなー。ふつうの商品とちがって,これが古本の場合,効くんです。

一般人むけの図書館本

で,ありました。図書館本。
辞書とつきあう法 / 服部一敏. -- ごま書房, 1979.4. -- (ゴマブックス)  数百円
古い?新書です。新書マニアにして図書館本蒐集家としては,これは拾いモノ。主題は,参考図書の使い方についてのおもしろ知識を断片的にのべたもの。国会のデータは,019(図書の利用法)がついてる。NDC 6th ed. をみると,019.4(参考図書の使い方)がより細かいけど,わざと3ケタでとめてるんのかね。
裏表紙にデカデカと全面をつかって著者紹介がある。で,カラー写真もデカイ。よくみると,胸元に社員章が……。表紙には「元イリノイ大学客員講師/国会図書館主査」って書いてある。前面にだすってことは,国会図書館・主査って,エラいんか?(ここで表紙っていうのは,title page じゃなくて dust jacket ,カバーのことね。だからカバー捨てちゃダメなんよ……
著者略歴には「主婦向けワイドショーの解説者としても活躍」とあるが……。ぜんぜん知らないっす。当時は有名なひとだったんだろーか,ハットリ・カズトシさん。
一般人向けの図書館本はめずらしい。このまえ五反田の古書会館でかった本もそう。
第二の知識の本 / 藤川正信. -- 新潮社, 1963. -- (ポケット・ライブラリ)  100円
新書版です。当時のコトバでいう「ドキュメンテーション」をわかりやすく一般に説明するっていうかんじ。この人,不思議なのは,床屋医者パレ / カルボニエ[他]. -- 福武書店, 1991.5. -- (福武文庫) なんていう医学史の物語なんかも翻訳しているところ。
裏表紙に東大,慶大,ピーボディ大を経て,1952年より慶應大学に勤務。(情報検索の)第一人者とある。
1950〜60年代に,情報検索に機械をつかうってのは,夢のように(すばらしいことと)思われたのだろうなぁ。

代行検索(ドクメンテーション)の時代の終焉

わての大学時代,オンライン・データベースは学部生は直接ひかしてもらえなくて,残念だったのを憶えてます。舶来もんのお皿(CD-ROMのことね)を思うぞんぶんひいて,渇きをいやしておりやした(笑。ま,おかげで卒論用の枝葉末節文献があつまりましたが。
けっきょくPCの低廉化,Internetの普及,通信費の低廉化で代行検索ってのはなくなりました。ネコも杓子も「検索」って言葉をつかってますね。むかしは考えられませんでしたが,代行検索者がえらそうにするよりもずっと個人的にはいいことだったと思います。でも,紙だろうがPCだろうが,けっきょく引く人の問題なんだけどね。
ドキュメンタリストにバカにされていた図書整理法の方がむしろ生き残っていますね(笑)