書物蔵

古本オモシロガリズム

テッちゃんの思い出

昭和2、30年代のこと。赤坂から職場委員か執行委員で上野図書館に行くことがあったんだそうな。そしたらある課のある人から、終業時間より早く帰りたいが帰りづらいという相談があったんだそうな。
もちろんコアタイム制などのない世界で終業時間より早く帰るのは――おそらく――違法だったろうが、これはずっと後代にも、夜間大学に通う初級職には「早帰り」が許されていたから、現場がそういった慣行をつくっていたことは容易に想像がつく。どうやら、そういった慣行に自分も乗っかりたい、ということを組合委員に言ってきたということらしい。
ところがその職場は超勤(超過勤務手当)を出す課だったらしく、それもかつての慣行どおり、各人一律に何時間分かを均等割りにして出していたとか。
そんななかで他の人より早く帰るのは帰りづらいという訴えだったとか。いまとなっては二重三重にワケワカランが、いやサ、かなり異なる価値観が二重三重に働くとありえる状況。
テッちゃんは、それは職制のことだから組合では交渉できないとしごくあたりまえの対応をしたのだそうな。テッちゃんもちゃんと組合員していたんだねぇ。