書物蔵

古本オモシロガリズム

雑誌記事索引こそ遡及入力せよ

ある意味,この記事索引の子孫にあたるのが↓これ
http://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/sakuin_index.html
ここの調査局には,満鉄調査部の残党が流れ込んでいたはず… ただ,国立図書館雑誌記事索引についての論説って読んだことないなぁ。調査マンと記事索引の関係も不明(ない可能性大。これについちゃあ『調査屋流転』の枝吉勇に聞いてみるしかないね)。単行書や新聞雑誌の書誌にくらべて(図書館学の価値体系のなかで)軽んじられてたからだ,という仮説を述べておこう。
索引作成機関は,大手では国会,中規模では大宅壮一文庫日外アソシエーツ,それから各学会がやっていたりもする。個人がボランティアでやることもあるけど。
ただ,各学会や個人のものって一括して引けないから結局埋もれてしまうことが多い(最近は検索エンジンにひっかかるようになったけど)。大宅や日外は有料だし。
NIIが学会作成のものを組織化しようとしてるけど,あんま期待してないのだ。なぜというに他分野におよそ役立たないような専門性の高いコンテンツ「しか」揃わんからね(それにそうじゃないデータは結局,国会からもらってるデータだし)。やっぱり情報のメーカーじゃなくてユーザーの立場からデータを作る機関がどっかにないとねぇ。
残念ながら国会に期待するしかないのだが…
かつて冊子体にまとめた情報を入力(遡及入力という)するのはいいとして,きっと絶対にやってくれないだろうけど,冊子に再録されなかった過去記事も入力すべきと思うよ。
たとえばさ、『図書館評論』(図書館問題研究会)って雑誌の記事が採録されてるけど、ここ数年のものしかない。でもこの雑誌は、初期の頃におもしろくて重要な記事がおおいのだ。
各分野の有識者に聞くなり,入れ札をするなりして採録雑誌を選べばもりあがると思うけど。とくに過去の人文・趣味系の雑誌ね。
目次情報をころがす分にゃ,いまや禁酒法と化した禁複写法,じゃなかた著作権法もひっかからんしね。
しかしわちきそうとうに著作権法が嫌いなのだのう… うん,正確には著作権法を解釈することが図書館法学だと思いこんでる手合いが嫌いなのだな。これについちゃあ,この前の『図書館雑誌』の図書館の自由コラムに久々にまともなことが書いてあった。それぞれの法律やその条文は相互に矛盾したことを規定してくるから,その調整をはかるべし,という至極まっとうな見解。館界の法律ヲタクは,ある特定の条文にしがみついて原理主義をふりまわすからな〜
個別の単独法に通じるのも結構だけど,で,あんたはそれで図書館事業が上手くいくとおもってんの,っていわれるような解釈をくりひろげるから嫌いなのだ。まー専門家ってのは大抵,結果や全体に責任を持とうとしないからねぇ。