書物蔵

古本オモシロガリズム

なんで順順センセに妙な期待をするか

むかし読んだ論文をおもいだしたから(・∀・)
日本における図書館行政とその施策 / 日本図書館学会研究委員会. -- 日外アソシエーツ, 1988.9. -- (論集・図書館学研究の歩み ; 第8集)
こりは論文集ね。共同著作ではない。
巻頭はセンセの論文。それぞれ,当時のわちきの感想。

●山本順一 図書館行政研究について:行政法学の視点からその方法と理論の検討
図書館行政の研究には,行政学行政法学,教育学の3つのアプローチがあるとしながら,行政法学を展開。まあ行政法学的なスケッチとしてはいいと思う。ただ図書館行政法学をタイトルにすべきだし,サブタイトルも大仰。「図書館行政法学:そのスケッチ」とでもすべき内容。

あいかわらず悪口にみえちゃうのう。著者がよんだら怒るよ(^-^;) でもほんとうにそう思ったからしょうがない… でも,これでも賞賛しとるんだわさ。
こんなのも…

●武田英治 国および全国レベルの図書館振興策:予算・協会・専門職組織を中心に 
武田氏はご存じ『法規総覧』(JLA1992)の編者。行政畑出身で書いたモノを見る限り,わたしゃ好きなんですが業界的には嫌われているとか。
この論文は全体として散漫ですが、行政の常道たるインクリメンタリズムに反する前年度5倍の助成金を,文部省社会教育局長(今村武俊)が1972年度に大蔵からもぎとった逸話などもあります。当時の『雑誌』では「補助金にヒモをつけて統制する気だろうと攻撃」されたそうで(笑。
後半の,JLAを専門職団体にすべしという提言は,なくもがな,という感じ。

実は,図書館実務を語る上で,実務家や行政官というのはきわめて重要なんだけど,彼らはモノを書かないから把握しづらい。書きまくる人,声のでかい人が言説空間じゃあプレゼンスが高まっちゃうからねぇ。でも,仔細によんでるとこんな逸話も拾えるのだ。
ほかにも,いろんな先生たちが論文をかいてるけど,そのなかにはもっと本当の悪口をかかざるをえないものもあり… 割愛(スルー)ね(・∀・)