書物蔵

古本オモシロガリズム

「図書及び図書館史」の廃止について

図書館雑誌の同じ号に薬袋先生が省令科目の改正について書いておる。
まぁいろいろあるんだけど、趣味がらみでは「図書および図書館史」が廃止になるところがオモシロ。
ってか実はなくなってもやむをえんかな、と思っていたのだ(*´д`)ノ
1945年以降はあんまり記述されないし、記述されてても、「中小レポートは正しい、市民の図書館はもっと正しい」などとゆーよーな、考える材料になりようもないものが多いし。TRCとはなんなのか*1、日外とはなんなのか*2、そも図書館関連産業の歴史は、などの、実務家に必須の知識がないからのぅ…
で、先生がいうには、「図書館史」を単独で残しておくと今のまま選択科目でしかないので、選択しない人はぜんぜん歴史のことを習わないで済んでしまう。それは困るので各必修科目のなかに歴史的側面を埋め込んでやるべきということらしい。
んで( ・ิω・ิ;)

図書・図書館史については、「図書館概論」「図書館資料論」「図書館サービス論」に関連する項目を設け、図書・図書館史に関する必要最小限の知識を全員が得られるようにした。(p.652)

だそうです。
なるへそ。論としてはそのほうが妥当でありまするなぁ。
でも、この文面を文理解釈すると、情報サービスでレファ史をやる、図書館経営論で経営史をやる、資料組織化で目録史をやるというぐあいにはいかんねぇ。みんな消えちまう。
いつもわちきが拙ブログでオモシロがっとるアイテムはみんな消えちまうねぇ。ってか、もとから消されているんだけどね。
せめて、図書館サービス論では遠隔複写の歴史とかやらんかしら(・∀・)*3
しかしわちきのブログねたパクられまくられる可能性きわめて大ですのー 先生方は「盗作」にご用心。
しかし一方で、「図書及び図書館史」という教科書を書いてた人たちとか、「図書及び図書館史」という科目で非常勤講師をしていた人たちとか(って、結局両者は同じか)が反対するでしょうな(*´д`)ノ

「図書館に関する科目(試案)」

ぜんぶ必修・2単位

1 生涯学習論  2 図書館概論  3 図書館情報技術演習  4 図書館制度・行政論  5 図書館経営論  6 図書館サービス論  7 情報サービス論  8 児童サービス論  9 図書館サービス演習  10 情報サービス演習  11 図書館資料論  12 資料組織論  13 資料組織演習  14 図書館特論

試案感想

うーん、制度・行政について1コマというのは多すぎないかしらん。もちろん、法学概論みたいなものも含めてやるんならいいけど。あと予算の編成や執行は経営論と行政論のどっちでやるのかすら。ってか、制度・行政について教科書書ける人って日本で3,4人ぐらいしかおらんのでは。制度論は経営論と概論でやることにして、資料論とか組織論を増やしたらどうでせう。え?(・ω・。) 「図書及び図書館史」を残せってか… あえてわちきからは言わんでおきませう(^-^*)

*1:JLA自身による委託推進と、その失敗によってできた第二図書館省。最近は図書館総合研究所まで創ってる(×o×)。

*2:春秋会事件によるNDL外郭団体消滅で成り立つようになったレファレンス情報ブローカー的ヴェンチャーだよねぇ。

*3:東洋における遠隔複写サービスの嚆矢は、維新政府の図書専門委員会図書館の通信資料部(1942)ですよー(・∀・)/