ヒルズ図書館(my造語)については、いちど書いたことがあるが。。。
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20080104/p1
同じ主題の単行本が出たので読んでみた。
図書館はコミュニティ創出の「場」 会員制ライブラリーの挑戦 (ネットワーク時代の図書館情報学)
- 作者: 小林麻実
- 出版社/メーカー: 勉誠出版
- 発売日: 2009/11/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 4人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
じつは大昔、そんなことを有名な図書館学校を出た人に言ったらば、「アハハ、○○くんはオモシロいこと言うワねぇ(´▽`*)」
いやサ、別にオモシロなことを言おうとしてたんぢゃなくて、理の当然、論理的必然としてつっこんだまでだったのだけれど…(-∀-;) まぁ、その時々の「正しい答え」を反芻する「おべんきょ」が好きな人は図書館業界に多いので(*´д`)ノ 当時は「上品さ」のなせるわざかと思うてをったが、最近ではバカなだけではなかったかと(・∀・) ってどっちが(^-^;)
心情的にはほぼ賛成
ということで、心情的意見としてはほぼ賛成。
ただ、学術出版社の出す本としては、仮想敵(従来日本の司書や図書館、および「図書館情報学」のイメージ)がやや通俗にすぎるキライがあり、著者がこれからアカデミズムに進むのであれば、それが弱点となりはすまいか、という危惧をおぼえるなぁ(*゜-゜) もちろん、六本木ライブラリー成立史としてみれば、やはりオモシロい指摘が多々あるし、それでいいのだけれど。
現状批判で、米国初期のライブラリーカンパニーのことが出てくるのは当然として、やはり日本の戦前期「私立」公共図書館の栄光(大橋図書館など)には触れて欲しいところではある(くどいようだけどアカデミック性をまとわせたいならば)。
天は自ら助くる者を助く!「セルフ・レファ」?!
オモシロなこともいろいろある。たとえば、本来の意味のビジネス支援など初手からトーテイできぬ(そんな司書など日本にゃおらん)ので、利用者自身に講習などして自分でレファレンス・ワークをしてもらうことにするとか(日本レファレンス論にいる2人の斎藤先生のうち片方がいう「セルフ・レファレンス」)。
ん?(・ω・。) 知識経営?
ナレジ・マネジメンのとこは、ライブラリーにちょっとうまくくっついていない気も。そういえば、このまへ読んだ柳与志夫『知識の経営と図書館』ってーのも、実はかなり同じベクトルのような…http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20090308/p2
場所としての図書館論
SNSみたいなことを、場所としての六本木ライブラリーでやりたかったという中ほどの話はオモシロかった。場所としての図書館において、
本は「山車(だし)」なんだなぁ(*゜-゜)
とつよく思う。で、それでイーのだ(。・_・。)ノ とくに米国のM&Aで、むりやり一緒させられた元ライバル会社員同士が仲良くなるのに、本の貸し借りをきっかけにさせたというくだりはなーるほど。
「本探しは人探し」逆もまた真なり〜
本は、人格が(部分的に)化体したもんであれば、本を介したつながりは、人(の、よい側面)を介したつながりでもある。ライブラリー・カンパニーもそうだった。
米国のレファレンス・サービスにはデフォルトでレフェラル・サービスが含まれていた。「質問に答えるに本によらず(答えられる)人を以ってする」というのは、むしろ米国であたりまえだったのに対して、日本では、やれまちがったら困るだの、推薦しているわけぢゃありませんだの、業務独占に触れちゃいますだの、といって、レファの導入そのものに失敗した(*゜-゜)