書物蔵

古本オモシロガリズム

清朝出版史

世紀末中国のかわら版 / 中野美代子,武田雅哉. -- 中央公論新社, 1999.3. -- (中公文庫)
即売会でひろった。かわら版とあるけど,絵入り新聞ね。実はこの本,最初に武田マサヤ氏の解説がついていて,それが清朝絵入り新聞社の解説になってる。全体は清朝末の奇譚集だけど,意外や出版史でもあった。
武田氏はとってもオモシロイ本をだしてるよ。
よいこの文化大革命 / 武田雅哉. -- 廣済堂出版, 2003.1. -- (廣済堂ライブラリー ; 19)
これ,友人の紹介で存在を知ったんだけど,すごくオモシロイ! 「よいこ」の「文革」! どっちもスバラシイじゃありませんか!
読んでみたら,終始一貫してわらえた。
政治革命よりラディカルな文化革命に,よいこ(紅衛兵の年少版「小紅兵」)がニコニコとつきすすんでいくさまは,なにかキッチュな雰囲気。
思想的には「子供中心主義」批判になる本だと思うけど,挿し絵(連関画?)のカワイサで充分に楽しめる。ゆとり教育批判派が読むとオモシロイと思うぞ。子供中心主義者には苦いお薬になるね。
まぁ一種の奇書。奇書度高し! この本はもっと人気がでてもいいと思うし,最後まで廃棄できない一書なのだ。
でもあんまり書店に棚差しになってないんだよなぁ。自分はジュンク堂(池袋)で買ったけど,東京堂ふくろう店(神保町)にはある。さすが「読書人の東京堂」! 文革では読書人が弾圧されたんで東京堂にこそふさわしい。場所は坪内祐三の棚の向かいあたりだよ。
文革反知性主義の集団ヒステリーなわけだが…,わたしゃ経験しましたよ某職場で。だから文革には大いに興味ありなのだ。
蒼頡たちの宴 / 武田雅哉. -- 筑摩書房, 1998.5. -- (ちくま学芸文庫)
この人の本で最初に買ったのはこれ。白川静の文字学を読んで,一時期,漢字の本をよんでいたころに買ったんだけど,ずいぶんおもしろかった憶えがあるよ。