書物蔵

古本オモシロガリズム

70年代の高校生、80年代の編集者ートマソン社本を拾う

これはちょっと前の高円寺で拾ったのだったかしら
ときには積ん読の日々 / 吉上恭太 著. トマソン社, 2015.10

森さんがトマソン社の本は古本で珍しいのでは、と言っていた。わちきも古本では初めて見た。マケプレにはけっこう出ているのは、個人が直接出しているのだろうか??? むかし新刊で東京堂にあったような憶えが。
あらあら読むと、1980年代の雑誌編集や編プロの現場がわかって面白い。
当時の雑誌は1号ごとに作り手にとって実に手作り感があったという。
著者の親が、内田, 莉莎子, 1928-1997という人で、いつも食事に使っている茶の間のテーブルを使って翻訳をしていたという。女性で著作家というと、実は食卓テーブルをむかしは使うのが定番だったんだよねぇ。翻訳家なので辞書がいろいろあったという。
1970年代の高校生が新宿の喫茶店でたむろする場面なんかいいなぁ、ゆるくって。わちきなんぞ、大学のアキコマに初めて繁華街に出て、たくさん制服姿の高校生がいるのをみて驚いたクチだから。非難しているわけでなく、高校生ぐらいからゆるく世間に出ていくべきなんだろうと。もちろん親が翻訳家なので、のちの概念「文化資本」の継承はあったんだろうけれど。
後書きを読むとこの本は本のメルマガの連載だったとのこと。