Twitterのタイムラインを見ていたら、こんなエントリがバズっていたのを見た。
これ日本の図書の十進分類法の影響でそうなってるんだと思うんですが、最も被害を受けているのは思想・哲学・宗教の中にぶち込まれてる明らかに場違いな「心理学」なんですよね……。https://t.co/XRXOzMk1X5 https://t.co/0wYxCKr5Yl pic.twitter.com/4kEn42FU5T
— trtmfile (@trtmfile) 2023年6月2日
このエントリは「本屋に行くたびに思うのだが、思想・哲学の棚を精神世界の棚の横にレイアウトするな。」という意見に反応したもの。こちらの元の発言は「精神世界」という知識分野を対象にしていて、上記は「心理学」を対象いしているから話はちょっとずれている。ここでは話をややこしくしないために「心理学」の話しにしておく。
上記に対してわちきがつけたコメントは次。
現代人に「ちぐはぐ」に見えるのは、NDCの大枠が昭和初期の学問分類をもとにしている一方、戦後のNDCの普及で小枠の項目を細かく展開したからだね
— 書物蔵C102申込 (@shomotsubugyo) 2023年6月2日
100はもともと精神科学だから当時としては哲学と心理学が入っちゃう https://t.co/Mu5BrKn28T pic.twitter.com/JYRyqu8qbo
一連のコメントをそれにつけておいたけれど、問題提起者も含めて思うのは、図書分類表ってもともと、10年もすれば同時代人からは違和感を表明されるのが、むしろ当然であるということ。
他にもいろいろ切り分けたほうがいい問題があるね。
心理学は自然科学か
心理学は今でこそ、自然科学ふうに一般の我々に見えるが、自然科学っぽくなったのはここ数十年のことではないかしら。ちょっと前まで深層心理学派なんかの言説は、宗教がかってたしねぇ。それに自己啓発本に多い通俗心理学って、ぜんぜん学問ではないし。
本屋の配架分類にNDCは影響を与えているか
むかし、そう戦争直後から1970年代くらいまでは与えていたけれど、それ以降はむしろNDCの書店配架への影響はなくなっているんではないかしら。根拠は出版年鑑その他の書店系媒体で書目を並べる際にNDCが使われなくなっていくこと