書物蔵

古本オモシロガリズム

帝国図書館の○○支援

岡田:〜だから、講義の時に雑談にいうんですけれども、戦争中は我々といえども、日本に勝ってほしい、なんとしてでも勝ってほしいという意識は強かったんです。けれども、結果的には、非常に幸いでしたが、軍からも文部省からも、戦争のために上野図書館がご用を仰せつかったことがないんです。全然、協力の手を出す余地がないんです。
長倉:アメリカですと、例えばこの間のベトナム戦争の時ですと、ベトナムに関する情報を、政府がLC(Library of Congress)に諮問していますが、そのようなことをは全くなかったんですね。
岡田:それで、舟木君や林繁三さんなんかは、ドイツの様子をみて、ヒットラーの盛んな頃は、ベルリンにツェントラル・シュテレ(Zentralstelle)という中央部があって、地方にはラント・シュテレ(Lantshelle)があって、それから末端の図書館になる。ナチズムを上から命令すると末端まですーっといったんですね。それで、ナチに反対する本は図書館から吐き出させて没収したり、焼いたりということをやっていたので、日本だってやろうと思えばやれた。国民精神総動員でやるのに、なぜ図書館を使わないのだろうと。で、ドイツのことを調べて、文部省にも行ったこともあるんです。でも全然、文部省からも、軍からも図書館について、何等協力の依頼がなかった。
長倉:とすると、社会の情報源としては、図書館は全く、はっきり言って無視されていたことになりますね。

へーぇ( ・ o ・ ;) 帝国図書館の連中が、〈ちゃんと〉思想統制支援しやうとしてゐたとは意外ぢゃ(´・ω・)ノ