書物蔵

古本オモシロガリズム

雑誌が国会に保存されなかったことが、各種研究者を困らせるのぢゃ→救いは古本ぢゃo(^-^)o

図書新聞を読んでいたら、つぎの悲痛なさけびが(^-^;)

  • 堀田穣「戦争体制下の紙芝居をはじめとした戦意高揚メディア研究に不可欠な資料――今回の復刻版刊行は、奇跡ではなく研究者たちの積み重なった執念によるもの」『図書新聞』(3204)p.1(2015.4.25)

この本の書評。

この記事は次の雑誌復刻の書評なのだが、書き手の堀田, 穣, 1952- || ホッタ, ユタカ 氏は歴史民俗学者にして図書館情報学者。だからだろうか、浅岡, 靖央, 1955- || アサオカ, ヤスオウ 氏による解説中の、こんなところに注目して、いっしょに嘆いている。

解決の見通しが立たない問題とは、紙芝居資料の全貌を把握するためのアクセス手段となる全国的な書誌・所蔵情報に相当するものが作成されていないとうい問題である。

で、戦時中のなんでも統制時代には、いちおう「日本教育紙芝居協会」に情報は集約されていたはずなのに、その機関誌『教育紙芝居』(のち『紙芝居』)が、全国図書館にほとんど残されていなかったという。
その伝でいへば、じつは「地図」なんかも同じで。
民間地図出版社が

で、つぎの文献などを引きながら、自分も、この雑誌が集まらなくておほいに困ったといふ話をしている。

  • 浅岡靖央「『教育紙芝居』・『紙芝居』復刻ものがたり(1)」『子どもの文化』46(4), 40-42, 2014-04
  • 浅岡靖央「『教育紙芝居』・『紙芝居』復刻ものがたり(2)」『子どもの文化』46(5), 26-29, 2014-05

いや実に、各種の「研究」には専門雑誌(機関誌、業界誌、趣味誌)が不可欠なのに、さういったものに限って、戦前の納本制度が資料保存につながってゐなかったという残念さが、現代研究者の嘆きに直結してをるのだ(σ・∀・)
いっぽうで、かの桜本, 富雄, 1933- || サクラモト, トミオ 氏の収集にかかる「戦意高揚紙芝居コレクション」は、日本常民文化研究所・非文字資料研究センターに2013年に入ったという。
つまりぢゃ。古本あつめは大事だといふことぢゃ。