書物蔵

古本オモシロガリズム

「ピナス」に松本幸一による奥付研究

このまへ箱根に遊んだ際、わちきがソンケーするある人に「むかし、読んだよ」と教わって――にしてもよく憶えてるの――「ピナス」なる出版社PR誌を読んでみる。わちき全然しらんかったが、こりは西洋書誌学に強い出版社、雄松堂書店のPR誌。いやあ、ぜんぜん知らんかったc(≧∇≦*)ゝアチャー

  • 松本幸一「奥付史研究試論」『Pinus』(36) pp.11-24 (1993-12)

別に間違いが書いてあるんぢゃあないんだが、先行研究をまったく見つけられてをらんうへに、文献注のつけかたが、分析的ぢゃなくて、小説みたいに巻末に参考にした文献一覧があるだけなので、個々の記述からもとへたどれない。要するに紀田先生の『本の情報事典』と布川の『本の周辺』をコンデンスしたものらしいとしかわからない。

  • 松本幸一「奥付の定価表記に関する史的考察」『大学図書館問題研究会大図研論文集』(18) pp.1-13(1996-02)

こっちのほうが後年書かれているのに、社会状況一般の記述に足をとられ出来は悪くなっている。『ピナス』のほうで文献注を分析的につけていれば――PR誌だから無理スジなんだが――、ものになったかもしれないに、などと残念に思ふ。
ひとつだけ文献を教わった。

に奥付の定価記載の有無を問うアンケートがあるのだそうな(゜〜゜ )
ピナスのはうを見ると、

昭和二十九年長野生。東京経済大学経済学科卒業、鶴見大学文学部司書課〔ママ;課程か〕終了。現在長野大学広報入試課長補佐。

とある。