書物蔵

古本オモシロガリズム

気分は第二

五反田で拾った雑誌。

  • 『ビューティー・マガジン BEAUTY MAGAZINE 世界ヌード・グラマー ダイジェスト版』(辰巳書房)の1967年前後のもの。

いま日本の古本屋みたら、1冊800円〜1500円でびっくりだが資料性あんのかしら(ってかそれを当て込んで買ったりもしたりして)。国会図書館にないねぇ(゜〜゜ )って、架蔵の『栗田出版販売株式会社寄贈雑誌目録 : 未定稿 昭和52年12月末現在』(北海道立図書館 1978)を見たらちゃんと出てるΣ(゚◇゚;) ってあわてて道立OPACを引いたら、

1巻1号(創刊号)(通巻1号)。 1967/02/01

とでてくるね(゜〜゜ ) 我れらがウィキペにこの雑誌の版元として「辰巳書房」ならぬ「辰巳出版」が立項されており「1967年11月1日新宿区三光町にて設立」とあるけれど、設立前の会社が雑誌を出すことはできず(σ^〜^) 違う会社の可能性が大。
しかしかういった「第二大衆誌」(この言葉もウィキペの辰巳出版の項でいま初めて知った)を出した中小出版社って調べるのがムズイのよ(゜〜゜ )
と、あたかもよし、我等が文圃閣からつぎの内容見本が送られてきたのであった(*´д`)ノ

  • 高度成長期の出版社調査集 全8巻 復刻版

1959(昭和34)年〜1977(昭和52)年の業界別興信録の復刻らすぃ〜(*´∀`*) とても個人が買うやうなものではないが、内容見本をみると、タイトルの「高度成長期」はもちろん、社長の生年月日など略歴や、会社の沿革、設立年月なども記載されとるので、実はわちきの趣味としてをる戦前日本出版史の資料としても使えさうヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャ

「第二大衆誌」といふもの

いま第二なにがしなる言葉をググったりググブクったりしたら、ほとんど出てこないが、『出版指標年報1988』172 ページに次の文章をめっけた(゚∀゚ )アヒャ

地盤沈下する風俗誌
いわゆるアダルト誌(業界では第二大衆誌)と呼ばれるポルノ雑誌群は〔昭和〕60年を境に低落状況になっている。わいせつ図画販売で当局の摘発が相次いだのが〔昭和〕60年。当時、出版社33社が集まり「出版懇話会」を結成、エスカレートする表現の自粛を申し合わせた。

とあり、1985年に警察の表現規制がきっかけとしつつも、ニューなメディア(ビデオ)の興隆や大手のコンビニ・ルートからの排除が構造的にはあるとまったく正しい指摘が続いている。逆にいえば、それまで、とても売れていたということだらうけれど。
んで、ググブクったもうひとつの結果、『出版社大全』656 ページが、それまでを象徴しとる。

廣瀬はこの仕事を通じて、第二大衆誌編集制作のノウハウを身につけ

と、「辰巳出版」を興した広瀬和吉の修行時代を描写しとる。やはり辰巳出版は書房とは無関係にみえてくるね。
けふは新しい古い概念、といふか表現をひとつ発見できた。

  • 『四十年史』東京文具卸商業協同組合 1952
  • 『博文館五十年史』坪谷善四郎 編 博文館 1937
    600円と安かったので。