書物蔵

古本オモシロガリズム

扶桑書房さんの創業年

原紙で楽しみにしているこの連載を読む

つぎのところで全文読めるよ。
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_description.php?shinbunno=3113&syosekino=6173
これに島崎博が出てきた。

書誌の作成には島崎博があたった。彼は後に雑誌『幻影城』の発行で知られるが、突然母国台湾へ帰国する。謎多い、すこぶるの古書マニアだった。島崎は、落合の老舗古書店・文学堂のバイトで知りあった東原武文の紹介で薔薇十字社に現れたという。

ほへー、である。
ってか、「一九七〇年、東原武文は扶桑書房を起こした。今も近代文学書では図抜けた蒐書力を持つ古書店だ。」って、かやうなる有力古書店でも、創業年ははっきりしないことが多いんだよなぁ。ありがたい。まあ古書展で直接きいちゃへばいいんだらうけれど、わちき気が弱いので、

扶桑書房さん関係書誌

  • 河野高孝、内堀弘、蝦名則、東原武文ほか「古本誌上オークション(座談会)」『アミューズ』()p.92-95(2000年06)、() p.100-103(2000年07)、
  • 内藤勇、川島幸希、東原武文「座談会・古本屋になるまで 文学堂書店篇」『日本古書通信』(919) p.8〜11(2006年2)
  • 池谷伊佐夫「古書目録から古本ワールドを覗いてみる。」『諸君』() p.236-241 (2006年03)※扶桑書房、港や書店
  • 東原武文、内堀弘、内藤勇「座談会 古本屋になるまで・扶桑書房・石神井書林篇」『日本古書通信』(920) p.18〜21 - (2006年3)
  • 東原武文、蝦名則、樽見博「扶桑書房・えびな書店対談 古本屋として思うこと(下)」『日本古書通信』(1005) p.12-15 (2013年4)

ネット記事から

「OB訪問3 東原武文さん(Ad-libooksの魁!就職活動)」『ナビブラ神保町』
http://www.navi-bura.com/special/ad-libooksr_1209G.php

東原 商売を始めてちょうど40年ぐらい、〔目録の〕第1号はたしか昭和48年だったかな。商品は全部雑誌だけで写真も載せた。当時、写真版の個人目録は珍しかったし、〔他店目録は〕ほとんど "1冊1行" っていうスタイルだけど、俺はちょっとした解説も書き加えてね。たいした目録じゃないけど、何かに特化しなきゃいけないと思ったんだ。雑誌は市場でも安かったし、大学図書館も持っていないところが多かったから、わりと売れた。

うん、こっちの記事で創業年がわかるかと思ったら、意外とわからない。ってか、会話の途中で細かい係数、数値のことってわりと流されちゃふもんだからね。
しかし雑誌の見直しが始まるのはやはり昭和40年代のことなのかしら。

俺はさ、市場に行くと「よく買いますね」って言われるんだよ。まあ、たしかに買ってるほうだけど、でも高いものだけじゃなくて、何本もあるような安い山だってしょっちゅう買う。その山を丁寧に仕分ければいい本が紛れていることもあるし、例えば1000円じゃ売れないけど700円なら絶対に売れるとか、そういう売るための分け方がちゃんとある。

これはいい話。
ってか、ツブシになっちゃってるなかにも、いろいろいい本があるはずなのだ。ってか、むかーしガレージのつぶしの山んなかからいろいろいい本が掘り出せたという話である。一説には、景気のいい時代、細かくわけずに1本のなかから知ってる本を抜いて、あとはつぶしということをやっていたお店があったとか。