書物蔵

古本オモシロガリズム

本棚の近代史をさぐりて特許文献OPACのインターフェイスが超わかりづらいことに気づく


数年前、岩波「図書」で柴野京子先生が(個人用)本棚、(できれば商品としての)歴史を調べたが、うまくいかなかったということを書いていた。
一般にかやうなバヤイ、それを実際に作っている業種を特定して(これが存外むづかしい。例.カレンダー→団扇製造業)、その業種の団体史、社史をさぐるという手法をつかう。柴野先生はこちらもやってみたようではあるが。
さて、かやうな一般的手法がダメな場合、あとは近年戦前まで引けるようになった朝日・読売の新聞DB(中にある広告記事)を検索するという手もあるのだが。
もうひとつの手があるのではと思ひついた(゚∀゚ )アヒャ それは特許や実用新案(。・_・。)ノ

OPACインターフェイスがわるいと。。。

それを試してみるべぇとてやってみたら、トンデモないことがわかった。
ってか主題の本棚の件ぢゃなくて。
特許庁でやってるDBのインターフェイスが悪い。原理的には、特許文書が格納されているDBがあるから、それを分類で検索すればいいだけの話で、実際、DBもそのやうな単純なものでしかないのに、ただそれだけのことをするのに、わざとわかりづらく説明してるんぢゃないか、っちゅーぐらい奇天烈。これは中途半端に漢語やカタカナ語を混在させて説明したりシステムをつくったりしているのが原因(σ・∀・)σ
ああ、さうだ、かやうなバヤイには我が国立図書館パスファインダーをば、とて見てみたら、それも同様にワケワカランものだったので、2重にあきれてしまった。いやサ、これ、図書館員には十八番(おはこ)の、図書分類のイロハをそのまま適用して解釈すればいいだけのことぢゃん。なして、もとのワケワカラなさを引きついぢゃうわけ? ってか、これはパスファインダーの悪い事例の良い事例だよなぁ。。。なしてかうなるかと推論すれば、誰にむけて何のためにパスファインダーを書いているかの意識がないのだねぇ。単にオベンキョしてるだけ。オベンキョして祖述してる。それぢゃ、ダメなんだ。パスファインダーてふもんは、ユーザサイドの観点から、なおかつメタレベルから記述しなけりゃあ、そもそも存在意義がないんだ、ということが痛切に感じられる事例だわさ(-_ - ;

使ってみてやうやく使い方がおぼろげに

なれば、とて弁理士むけの本をさらってみたが、どうも、いいのがない。まあ、レファレンス・サービスと違って、弁理士のビジネスモデルは基本、代行業だから(レファはユーザ自身がやれるようにならねばなんない)、エンドユーザができるようになっては困るのだから無理もないけれどね。なかでは、これは厳密には弁理士向けの本でないからか、つぎの本が役立った。

  • 研究開発担当者・技術者のための特許実務の進め方ノウハウ集 :. 技術情報協会, 2006.2. 434p ; ISBN 4-86104-096-5 :

しょうがないのでこれを見ながら、いろいろやってみたらわかってきた。
基本枠組みをいふと。
日本で使われている特許分類表には3種類ある。

 IPC : International Patent Classification 国際特許分類
 FI  : File Index (日本固有の分類標目) → IPCの細目として付加される
 Fターム :File Forming Term (日本固有の分類標目)

これらの分類標目を自然語から検索して、検索できた標目で特許文献(fileか)を再検索するというのが大枠の手順。
で、FIはIPCの細目としてしか使えないのと、Fタームはどうやら特許庁サイドで使うものらしいので、IPCをまずは知る必要がある(ってか、ただこれだけのことが意外と書いてない)。
んでは、本棚の分類標目がIP分類(IPC分類と日本語では略すらし。Cが畳語表現だね。まあ図書分類でもNDC分類といふから)がどんなになるんだかをしらべる。
一般にこれは、分類表をみつけて、分類項目の名辞が索引化されてれば、それを引くということになるわけだが(ここから先は、このサイトが参考になった。ttp://e-patentsearch.net/wp/351.html)
NDC分類とちがって、IPC分類はネット上に表のDBがある。それも、特許庁が直営でやっとるものと民間会社がやっとるもの2つも。

 パテントマップガイダンス
 PATOLISサーチガイド

んで、これを自然語「本棚」「書棚」「書架」で検索しようとすると、いきなし、なんも出ない。しょーもな。ってしょうがないから、1次区分から階層を下りていく。

A生活必需品>47家具>Bテ−ブル;机;事務用家具;キヤビネツト;たんす>

下りていく途中で、どうやら特許分類では、NDCなどの旧版よろしく、各階層に固有の名称、

セクション>サブセクション>クラス>サブクラス>メイングル−プ>サブグループ

なんちゅーもんをくっつけちゃってまんなぁ( ・ o ・ ;)
図書分類で、

類>綱>目>分目>厘目>毛目

なんちゅーレベルごとの固有名を廃止したように、「1次区分〜」とかにしてやめちゃったほうがよっぽど混乱せんのにね(σ^〜^)
で、本棚はつぎの分類標目になるらしい。

A47B 63/00 《メイングル−プ》図書,文書,用紙または類似物を保管するために特に用いるキヤビネツト,ラツクまたはシエルフユニツト

なぜだか、本立てだけは別の標目になってをるが。
A47B 65/00 《メイングル−プ》本立て;特に図書保管用に用いる付属具,例.ブツクエンド