書物蔵

古本オモシロガリズム

研究者のアイデンティファイと業績評価(十進分類で大東亜戦争勝利!!!?)

対米戦争がはじまってしばらくの頃。
学者も戦争目的にホーシせよ、ということで、昭和15年に財団法人「科学動員協会」がすでに出来ていて、いろいろやってたみたいだが。
我らが日本のドキュマンタリスト、稲村ヤスヲさんがこんなことを言っていた(*゜-゜)

一番建設的な意義があると思ふのは「研究者カード」位でせう

一部で有名な雑誌『科学主義工業』の座談会で、なにが科学動員に役立つかという話になって。

稲村〔耕男〕 (略)例えば科学動員協会が研究者の隣組を組織化するとか、研究カードを作るとかいふやうな例ですね。(p.96)
(略)
稲村〔耕男〕 「科学動員協会」で積極的にやつているものといひますと、「全日本産業技能戦士顕彰大会」とか科学映画を方々へ持込んで映したり、一度出して引込めたつまらないパンフレットを出したり……。一番建設的な意義があると思ふのは「研究者カード」位でせう。(p.100)
(「科学・技術体制をいかに確立するか(座談会)」『科學主義工業』6(3)p.90-112(1942.3))

んで、稲村さんは、研究者カードの排列、とくに研究ジャンル順のものに、UDC、じゃなかった(^-^;)、これでは敵性語になってまう。CDU(国際十進分類法)を使おうと提唱したのだが。

―― いよいよ科学技術者登録がものをいふ時がきました。
―― 研究能力の判定は難しいことでせう。
―― カードに記入された事項から実態をつかむことはその人間を知つていなければ無理がある。
(p.27)
(「単・色・光(科学技術時評)」『科學主義工業』8(8)p.26-27(1944.8)

現在ただいま、どこの国でも研究者の業績を査定しようとする動きがあるやうで。
「いよいよ著者名典拠の登録がものをいふ時」が来ましたな(`・ω・´)
って。。。
まともに典拠を作っているところは、営利会社で目録部門の肩身が狭いTRCと、データの質を低下させつつあるNDLぐらいになっちまいましたのー(*゜-゜)
最近、NII(えぬあいあい)がCinii(チーニーならぬ、キーニイならぬ、スィーニーならぬ、サイニーならぬ、さいにい… あーしんど)で、ヴォランティアによる著者同定システムを始めたけど… これって、folksonomyではあっても、authorityではないねぇ(゜〜゜ )
オーソリチー、っちゅうのは、どっかが最終的に、これとあれは違う(同じ)と決めるからオーソリチーというのではないのか。
標目形(heading)という人名を正規化するルールとオーソリチーファイルによって、きゃたろがーという特定人種がつくりあげてきたname authorityも、

いよいよ名称典拠がものをいふ秋がきました(*´д`)ノ

といわれた時、それに呼応できるのはどの機関なりや。

今こそ???

ソレ、今こそ書誌サービス機関の反撃の秋(とき)!
と、いまなっているではないか。
さんざっぱら、いらねーとかつかえねーとかいはれてきたキャタロガーがこぞりて反撃できるではない乎!

ダメです。NIIはNACSIS時代から典拠を放棄してマス

大学図書館現場から人材を吸い上げ、エリト(選良)集団であるはずのナクシスが従来から典拠(名称・件名)や分類を軽んじてきたのはなぜだったのか。小才子というやつなのか。それとも研究職が専門バカなのか。Webcatマイナスは、ありゃなんだ。森やうすけで検索をかけてくる場合ぢゃないゾ。
ん、ならば、巨大戦艦NDLはどうか。

ダメです。NDL典拠は事なかれ主義で付記事項中の生没年をつけぬようになってまいました(*´д`)ノ

なぬっ(-∀-;)
それでは、標目形により業界全体で自然にそろっていく、とゆー機能が不全になるではないか(´・ω・`)
またぞろお得意の単館行動主義か?(*'へ'*)

TRCがまじめにつくっているようですが、TRCのことを業界団体首脳はみな大嫌いみたいです!

それでは力が分散してしまう…(´・ω・`)
業界首脳はさきの大戦時の帝国陸海軍並みにバカだぞ!
典拠がらみでいへば、NDLSHとBSHの統合はすすんでいるのか????????
面子ハ護持サレタゾ、首脳はたらふく食っているぞ、なんじらユーザ困って結構。
JLAに棄てられた捨児を拾って育てたTRCが、けっきょく一番まじめに書誌データをつくっているという笑えぬはなし…(*゜-゜)