書物蔵

古本オモシロガリズム

日本館界で件名がどのようにダメなのか、それは…

あまたある書誌データの要素んなかで、件名標目は、じつは一番大事であるとわちきは思う(まぁ著者標目も生没年がきちんと付いていれば同じぐらい大事だが)。タイトルや出版社など、多少ブレがあっても、もーいいじゃんとさへ思うぞ。
しばらくまへ、LCで、「件名なんて要らんよね」という館自身の政策を、結局、現場やユーザが押し返しちゃったことがあったでしょ。件名なんて100年も前からある単純な原理なのに、このICT時代にも、十分に使えるものなのだ(米国では実用品)。
ところが日本でぜんぜんダメダメなのは、少し館界事情をオベンキョした人なら知ってをろう。
わちきは、NDLやTRC、大学や県立図書館などが、まともな件名標目を付けてくれれば、どんなにか、人文社会系の学問・実務が良くなるか、と思う。けど、現状ではダメダメ。
現状でダメだから、やめちまえ、というのが、若者や外来勢力の意見なんだけど(LCでもおなじ図式)、いや、まともに付けるようにすればいいだけの話ですよ(特にNDLは戦前期図書に件名を付与すべきである。絶対にやらないだろーけど)。

ダメだった理由

なぜ、日本館界で件名がダメだったといえば、
1)カタロガー使えないように付与してきたから
2)レファンレンサーが使おうとしてこなかったから
3)図書館学者たちが1、2を容認してきた(or気づいてこなかった)から
4)1、2、3から、件名がまともに引けるシステムがほとんどない
ということがあって、いったいどこから手をつければいいのか、と思う現状なのだわさ。
本来であれば、3の連中が、どのようにダメか記述し、ぢゃあ、どうすればよいのか政策提言をしてくれるのがスジだが、ダメなんだよねぇ。3の学者が本にしてくれてればいいわけなんだけれど(そーなら、書誌を示せばいいだけだかんね。これ読んでちょ、と)、それが無いから困る。整理系の専門家は米国の議論を追っかけることしかしてこなかったから、日本でうまくいってないことなんかにゃあ興味なかったんで、論述も本もないのだわん。
で、専業の学者でもなんでもないわちきがやっても、長くなるし、説明したところで、ウィキペで禁止されちょる「独自研究」だね、と3の連中に笑われておしまひなのである。でも、3の連中は独自どころか横のものを縦にしとるだけだったりして… ってか、それなら英文で論文書けばいいのにね。日本の図書館現象を記述も分析もしないのに、なぜ日本語で図書館情報学の論文を書きつづけるのかなぁ(特に京大の図書館学)。
わちき自身も1980年代に件名廃止論者だったことは話したっけか。若かったり、情報工学好きだったり、参照作業をしたことがなかったりした人に限って、廃止論者になるのだわさ。けど、わちきはICTが発展した1990年代にむしろ転向し、件名擁護論者になったのぢゃった。だから、件名廃止論者を見ると、(自分のかつての)若気の至りや考えの足りなさが(その人物を通じて)ヒシヒシと感ぜられてしまい、イヤーな気分になるのであって、それもあって、件名についてマジメな議論をするのに躊躇してしまふのだが…(*゜-゜)
ってか、実はイチバンの問題は、上記、1と3の、いま(と今まで)件名がらみの事業に従事しとる人々を敵にまわすことになること(。・_・。)ノ 誰だってみんな、自分たちがやってきたことに、間違いがあったと認めるのは、むづかしいことだから。
ん?(・ω・。) もうさんざ悪口言ってきたから、もう遅いってか(σ^〜^)
いま数万人規模の日本館界で、件名付与作業に従事してをるキャタロガーは100人を超えるかどうか。TRCで5、6人? NDLで数十人? ほかに民間マークで十数人? あと大学でマジメに付けてるところ合わせても100人超えるかな? 超えないかな。