書物蔵

古本オモシロガリズム

事業と研究

朝,朝日新聞をながめたら。

闘病記専門700冊のブックガイドサイト:病気別に闘病記を探せるブックガイドが登場した。Flashベースのインタフェースで操作できる。
(2006年06月12日)

って主旨の記事がでていた。
NIIのセンセが闘病記の検索(部分閲覧)ができる紙芝居wをつくったというもの。
はぁ…
闘病記文庫運動が運動として目玉が必要なことは認める。
どんな形にせよ新聞記事になることはよいことだ,とさえ言ってもよい。
だから,このわちきが親切にも?捨てアドで事務局さんに闘病記のNDL-opacの弾き方を通報してあげたのにもかかわらず,その後も「(闘病記の合理的検索法がないので)闘病記文庫を創りますた!」という記事がでるのも大いに結構だ。運動というものはまさしく一世一代の事業であり,「立ち上げ」て「とりあえずマワ」さねばならぬ。
(この先,図書館員読むべからず)
ただこのNIIって何よ。
バカですか。バカですね。
こーゆー税の二重投資は財務省が最もいやがることなんだよ。
まあ,こんなイヤミをいってもしょうがないか。
聞いたよ。
研究系には予算がつくけど事業系にはつかないって。
こんなもんは。

全国書誌のデータに件名をきちんとつけろ!(後述)

って全国書誌作成機関に申し入れればいいだけの話。
べつに闘病記に特殊で特有の検索システムなんかは本質的に必要じゃない。検索システムはフツーの本と同じで結構。必要なのはきちんと件名がついた書誌と,すべての本の内容細目や目次情報を全国書誌に収録することだよ。
紙芝居つくってからに。ばかばかし。
と「研究」的には言えますねぇ (・∀・)
事業としてならデータ整備をすべきだし,研究としてなら無意味だとNIIに向けて言っている。もちろん闘病記文庫運動的には,今回も特に赦す(てか全部負け状態の公共図書館運動だからなぁ)。

全国書誌のデータに件名をきちんとつけろ!

気が付いたらいつのまにやらわちきが紹介した検索裏技が正式に案内されている。
けどこれに困った記述を発見したよ。

2000年頃から闘病記・看病記に件名を付与していないので、

って,それじゃあさっそく件名を付与するように決定したらいかがだろう。
それに…
どうして,「2000年から」で「2000年から」じゃないのー?
ヘンなの (・∀・)
〜〜〜
いま試みに上記の「案内」に従ってOPACを引いてみると,

分類標目から明確に闘病記とわかる2928件の検索集合ができる(1970年頃からのデータ)
2000年頃以降のデータ数は1324件
だから,約1600件の件名つきデータと約1300件の件名なしデータがある。

この1300件に件名を振れば,3000件の闘病記データができるんですけど。できるんですけど。できるんですけど。ってくどい? (・∀・)。で・き・る・ん・で・す・け・ど!!!

おまけ 案内に書いてないこと

だけど正式な案内の分析だけじゃあせっかくの読者に申し訳ない。
1970年よりも前の闘病記はないの?
というのが論理的な疑問としてすぐ出てくるんだけど… 案内は黙して語らず。まあこーゆー正式の案内ってのは都合のいいことしか説明せんからね。これはどんな会社・役所でも当たり前。
だけどあそこは納本図書館。ないわけない,と考える。
で,ちょっといろいろ試してみたけど。
NDCが家庭医学とかそれぞれの病気とか雑著とか手記とか,いろいろバラバラについているなぁ。
これはこの時期のNDC付与者がいい加減なのか,それとも遡及入力の際の問題なのかわらかんけど,分類標目はNDCでさえ使えん,ということが分かった。
タイトル検索で「闘病」とかで引っかけて,ノイズを除くしかないかな。
書いてないこと(+既存の他の情報+ただの論理)からいろいろ考えるとオモシロイ。