書物蔵

古本オモシロガリズム

(改題)ハンセン問題と件名問題、司書としてより深刻なのはどちら?

まーあんまり文句いいたくないんだけど…
って、この方は本質的に専門職運動と相容れないはずの労働運動出身の方だからなぁ。
それなのになんで専門職運動を標榜しとる団体名で出てこられるのかぜんぜんわからん。いまのトモンケンはアナボルどっちと聞きたいですよ
と、まるでわちきがまだ専門職運動に可能性を見出しているかのような物言い(゚∀゚ )アヒャ
それはともかく…
西河内靖泰「図書館での「件名標目」に関するある表記をめぐる出来事から」『旬刊 出版ニュース』2007年4月中旬号
これ読んでみたんだけど…
いゃあ、論理展開がぶれて、著者がなにを問題にしたいのかよくわからんが。
ただ、よーするに、クレームがきて県立図書館などが旧件名標目データをササッと消しちまったっちゅー「ハンセン病件名問題」について。
図書館現場は「クレームがあったので、それに応じただけの対応」であり、現場がハンセン病問題に覚醒したわけでないからけしからんという。
そりゃーまぁけしからんでしょうが。
でもさ。
県立など一部図書館が問題になったのは、件名データを「持って」「引けた」からだよねぇ。

クレームを受けたのは、日本図書館ン中ではマシな書誌サービスをしてたとこという皮肉

そもそも件名のフィールドもデータも持っていなけりゃ件名問題なんてもんは起きようがない。リスクゼロ。
そもそも件名検索サービスを住民に提供してこなかった中小図書館の責任ってのはどーなの。
公共図書館のすべて(@中小レポ)」であるはずの中小図書館しか使えない人々は、米国より一段劣ったサービスしか提供されなくてもよいというわけか?
「その図書館で、ハンセン病問題について、職員で議論したという話も聞かない」ってゆーけどさ。
ハンセン病問題について職員で議論」する以前の問題として、<件名検索について職員で議論>することなぞついぞあったのか?
肝心の自由委員さま方だって、日ごろのサービスん中で書誌データについて議論したことってあるの?

今日引いたこの書誌データ、件名まちがっとるよ(怒)

とか。わちきは日々怒っておるが(^-^;)
日々の図書館としてのサービスをおっぽりだして社会運動に奔る*1のも結構だけど、むしろ誉められるべきは、サービスを通じて社会改良にも資することじゃないの。この手の話って戦後左翼運動の挫折からしっかり考えないと。
だいたい、社会問題ってのは、老いも若きも男も女も、どんな職業だろうが意識のもちよーによっちゃあ考えることはできるでしょ。
まずもって件名が日本国で使われとらんという問題を図書館員が考えずして誰が考えるというの?
図書館から給料をもらっとる図書館員様が、日々、書誌データについて煩悶していないほうがよっぽど問題だよ。
今回の、ハンセン病がらみ件名問題について、ほんとうの問題は。
・新差別語から書誌データが引けなくなってよいのか、とか
・ほかにも続々と政治的に正しくない標目が新発見されるだろう*2が、それはどうするのか、とか
GCWたんが行ってたような。
もっと包括的で重大な思想の自由や政治的中立にかかわる問題ですがな。

ついでに

過去記事、「いったい誰が政策論をやるの?件名標目表研究」を簡単にまとめる

さらについでに

西河内先生が活躍してしまうのは、ほんとうだったら30代〜40代にいるべき論客候補がトモンケンから追い出され(or逼塞させられ)ちゃったからないの〜?
って、トモンケン某氏が「現実対応しようとすると爺さん達が出てきて止めてしまう」と嘆いていたと伝聞で聞いたぞ〜(・∀・)
もちろん某氏が誰なのかは秘密ですがの。

*1:この件については、有山タカシと羽仁五郎がサカサのこと言ってたね。

*2:いま、すぐにでも10個ぐらいならわちきが「発見」することだってできますよ(゚∀゚ )。