書物蔵

古本オモシロガリズム

当ブログ連載「日本レファレンス史のミッシングリンク」について

友人Eに「あの連載はおもしろい,(ブログでは)もったいない」との過分のお言葉をいただく。意外や,読んでくれているのね。
うん,あれは我ながらオモシロ。志智の偉業を語ってくれるその人が,実はその偉業を途絶えさせた張本人であったというお話(それもご自身の独白!)は,あたかもアガサ・クリスティーを読むような。そして誰もいなくなった
現在でも貸出優先派であり,その護持をかってでている伊藤氏が,じつはレファレンス実践の先駆者・志智の愛弟子であったと聞いたときには,びくーりしたよ(・o・)
『図書館文化史研究』に,伊藤氏のレファがらみの回顧録がでると聞いて,o(^-^)o ワクワクまってた。

私も貸出を重視することが図書館の発展に重要なことだと考えるようになっていきました。これは図問研の影響でした。

という部分を読んで,わちきはおもわず,
「キタ━━━━(・∀・)━━━━ッ!!」
この回顧録で,1963,80,86年と断続的に(それも隠微なかたちで)応酬された「日本レファレンス論争(仮称)」の図式と主要文献がわかったし。
いそいで,『図書館白書1980』『りべる』の当該部分をコピーして分析的に読んだよ。「白書80」じゃあぜんぜん別の大発見もあった(^-^)
にしても,『りべる』は重要文献だなぁ。関西方面でみつかるかな…(などと都合のいいことを夢想す)
あ,そだ。伊藤回想録は,昔の館界事情,志智の功績,レファ運動の衰退論の3部構成なんだけど,衰退論のところは,ほとんど(上記引用の独白の部分をのぞき)『りべる』の志智論文のひきうつし(表現まで)。もっとはっきりと「りべる」が出典だと書かないとヤバイのでは…
それに,この回顧の講演のあと,質疑応答があったはずなんだけど,それが「文化史研究」ではしょられてるのはいただけない。なんでこーゆー重要なもんを省くのかなぁ。たとえそこで頓珍漢なもの(あるいは一方的な賛成論or反対論,どっちでもよい)があったとしても,館界ないし研究会が頓珍漢であったという歴史的証拠になるのだが… 都合のいいこともわるいことも記録するのが史官のつとめでは。