書物蔵

古本オモシロガリズム

ようやく私の主張が一部みとめられてきたか???

わたしの主張ってのは,「一見,時代遅れの概念索引法による主題標目をもっと重要視せよ」とまとめられます。ようするに,人間が目で見てつける分類や件名がまだまだ使えるってこと。メリケンさんは電脳時代になるまえから,きちんとやってきたし,電脳時代になってからもきちんとやっている。
パスファインダー・LCSH・メタデータの理解と実践 : 図書館員のための主題検索ツール作成ガイド」なんていう本が出た。
もへー。遅きに失してる気もするけど,いいことだす〜。著者たちは愛知淑徳大学の図書館員みたい。あそこは,なぜだか慶應図書館情報学科の影響下にありますからねー。教科書的に正しいことをしているんですねぇ(誉めてるんですよ)。逆に慶應の図書館はなにをしているんでしょうか? わかりません(これは,すくなくとも誉めてはいませんね(^-^;))。

世界標準といってもよいLCSH は、主題検索ツールの乏しい日本の図書館状況に変化をもたらすかもしれません。

まあ,でも件名をもっとしっかり使うべきというのはいいとしても,LCSHが世界標準(だから使うべし)という暗黙の前提のはどうか。もちろん事実としてはそうなんだけど,「主題検索ツールの乏しい日本」批判というのは一度もやられたことがない。
高等教育を自国語でできない国は早晩,文化的植民地になるよ(笑)。だからオランダなんか蘭印に大学をつくらなかった(その点,植民地に大学をつくった日本ってのがお人よしなのかも)。
ほんとうは,「主題検索ツールが諸事情で乏しいままの日本には,やむをえずしてLCSHが必要」ぐらいのところでしょ。
最初,アメリカ直伝の慶應のlibrary schoolが業界の旧派から反発を受けたことをお忘れなきよう。彼らの反発は占領軍への反発だけでなく,明治以来の思想的背景もあったと思うゾ。
LCSHの,あの分厚い赤い本を引くのは趣味だったんすが,うーん,こんなこと書いちまう自分はやっぱ国粋派なのだなぁ。
日本の主題標目システム,とくに件名が迷走しているのは,やはり学説史的な説明が必要なんだけど… また今度ね。