書物蔵

古本オモシロガリズム

東京書籍館補 永井キュウイチロウの不肖の息子

このまえ所沢の即売会で拾った本のよみかけ。
永井荷風 / 紀田順一郎. -- リブロポート, 1990.3. -- (シリーズ民間日本学者 ; 23)
一応,紀田さんの著作集にも入ってるけど,小型本が好きなんで。著作集は,全集じゃなくて選集だから買わず。全集だったら買ってたけど…
さすが図書及び図書館趣味にあふれる紀田さん。のっけから荷風のオトーサン,永井久一郎(ナガイ・キュウイチロウ)を紹介するのに,東京書籍館(トウキョウショジャクカン)の館長補だったところにチカラが…

荷風の父親が日本の図書館の草創期に貢献したという逸話は,一般にあまり知られていないが,(中略)当初一万冊にすぎなかった貧困な蔵書を,わずか四年間で八倍近い冊数に増やすなど,国家の中央図書館の基礎をつくった功績は大きなものがある。

書籍館の蔵書票に,ペンは剣より強し,などと入れたってことも紹介されてる。さすが紀田さん。『国会図書館三十年史』あたりを見たのかな?
ま,それはともかく,ココロひかれたのは,そこじゃなくて次のとこ。