書物蔵

古本オモシロガリズム

なして蒐書家事典など構想したのか(蒐書家人名事典のために 7)

きのふ書誌鳥に聞かれた(。・_・。)ノ
いやさ、わちきの古本趣味に、古本趣味の歴史を知るといふのがある。古本趣味史を知るには、次の各サブジャンルに分けて知るがよからうと思ふ。

古本生産史:払い出し、チリ交、ゾッキ本
古本流通史:古本屋、交換会(市会)、即売会
古本享受史:蒐書家、各ジャンル研究者、残存蒐書

古典書誌学のはうでハ、ちゃんと蔵書家が事典に300名(近代人も含めて)立項されとる。
しかるに、出版文化人物事典でも、来るべき(?)図書館文化人物事典でも、近代文献を集めた蔵書家は立項されない傾向がある。
もちろん各ジャンル研究者は、そちらの人名事典なりなんなりで立項されることにならう。たとへば岡野他家夫なんかは、近代国文学研究者ということにならう。
けど、いはゆる学術論文を書かなかった趣味人たちや多ジャンルにわたって広く活動した人などは埋もれてしまふ。
たとへば福島鋳郎さんなどはさうでしょ。学者でなし、論文も書かず、職業は警備員で、なれどある時期の日本文化を包括的に面倒をみやうとした人。
さういった人々のことを知りたいと思う時、手頃な人名事典がなにもないことに気づいたのぢゃ。
もちろん、古典書誌学の事典に蔵書家が立項されとることからスグ類推できるやうに、日本でだけ(東洋でだけ?)なぜだか書誌学が古典と近代で寸断され

書誌学の近代部分が学問化されとらん

からなんだけど。

紀田順一郎さんの「日本人の蔵書志向」


あたかもよし、かの紀田順一郎先生が、日本人に強い蔵書指向について執筆中である!`・ω・´)oシャキーン

紀田先生は「蔵書論」というテーマで本を執筆されようとしていて、今回の講演はその中間報告の位置づけ、(略)
先生曰く、日本は、必要とされる本と図書館の蔵書とにギャップがあり、またコピーが全部はとれないとか、そもそも通う時間がないといった問題から日本人の蔵書志向が海外に比べ強い、と。
http://blog.livedoor.jp/togawaoyako/archives/31012834.html

まぁ、わちきがはっきり言ひかへると、図書館がダメだからである。
わちきとて、斯業に多少はかかはったらいふけどね、ダメですよ。それを象徴するフレーズが、

これは本ぢゃない

といふもの。短慮で二三年でぐるぐるかはる素人が、素人判断を無批判にくりかへせば、そりゃあ、プレーンで読み本貸出しぐらいにしか役立たないコレクションしか形成できませんがな(´・ω・`)
といふことで、日本固有の主題でもある蒐書家およびその事典。
もちろん、わちきが生きている間にできるかどうかはわからんが、やり方自体はわりとスグ思ひついたので、ここに記してをくなり。