書物蔵

古本オモシロガリズム

同人誌のスキャンレーション・サイトの閉鎖から同人誌アーカイブを考えるーー著作権厨でない観点から

今までネット情報源のマンガ関係を紹介する時に、
The Doujinshi & Manga Lexicon
がなぜ良いのか説明するのに「スキャンレーション・サイトでない、純粋な書誌データベースだから」と言ってきた。

スキャンレーションは海外マンガファンのサイト

スキャンレーションは、商業マンガにおいてはわりと明確に違法で話題にならなくありつつあるが。
ja.wikipedia.org
非営利マンガ、というかマンガ同人誌について海外ファンは、ほぼ違法とされるスキャンレーション・サイトでないと見ることができないわけである。そもそもエロパロ系だと日本より検閲が厳しい(例えば大陸中国)だと、税関没収されるらしいし。

ex-hentaiで達成されていたもの

で、今回TLに流れてきたのが同人誌スキャンレーションサイトの雄、ex-hentaiの閉鎖情報。


実際に昨日閉鎖になったのはex-hentai のほうで、姉妹サイトのe-hentaiではないということだが、姉妹サイトのe-hentaiもしばらくしたら閉鎖になるという。閉鎖の理由は法的なものでなく運営者の都合であるらしい。
わちきは趣味人だから「著作権厨」の立場を取らんので、これからなくなるスキャンレーション・サイトの
アーカイブ機能について上記の人が、とてもよい指摘をしていたのが気になるのであった。

以前から思っていたんだけど、無料マンガ図書館の同人誌版を作るべきだと思うんだ。
大昔に刊行してもう今更売らないような同人を作者からアップデートしてもらってさ。読みたいファンは絶対にいるはずだし、作者としても昔の拙作が人の目に触れる恥ずかしさとは別に、喜びは確かにある。

同人誌現物のコレクションは米沢記念がダーク・アーカイブとして大量に持っているが、それにアクセスできるようになったとしても(日本の)首都圏だけでしかない。
令和の現在、文芸同人誌のコレクションが文学館などに片鱗が残るだけになっていることを考えると、網羅的に残して網羅的にデジ化する、といった同人誌デジタルライブラリーが必要(´・ω・)ノ
Ex-hentaiなどは、実はそれを予め(違法な形で)やっていた、と歴史的には言えるのであった(σ・∀・)