書物蔵

古本オモシロガリズム

円本がはやるまで、部数は三千部ぐらい

外骨がこんなことを言ってゐる。

  • 宮武外骨 著. 一圓本流行の害毒と其裏面談. 有限社, 1928.11. 56p ;

次に新円本の出版が続出する理由は、従来の単行本は対外三千部位しか売れず、景気がよくて増刷しても五六千部止まりにすぎず、一万以上売れたものは、百中に一二もない位であったが、円本が流行出して其記録を破り、何でも全集と名づけて一円本式にすれば、直ぐに何万といふ大数に達するので、猫も杓子も全集ものに着手したのであるが、(p.46-47)