書物蔵

古本オモシロガリズム

戦後日本図書館史の論集:アメリカ様の時代(σ^〜^)

おおこれは(@_@;)

定価 2,940円 (本体2,800円) 予約商品

日本の図書館はいかに構築され、なにが実現され、なにが課題として残されているのか。
出発点である戦後占領期から、現在に至る様々な組織・しくみが構築された80年代までを中心に、図書館法、Japan Library School、国立国会図書館など、戦後図書館史のエポックを検討する。
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=9_29&products_id=100214

目次はこんな感じ。

はしがき 高山正也
展望 高山正也
前田多門とシビックス(civics)概念の提唱 高山正也
金森徳次郎と草創期の国立国会図書館 春山明哲
CIEインフォメーション・センターの活動 今まど子
資料紹介:日本の新しい図書館学校 ロバート・ダウンズ(今まど子訳)
ドン・ブラウンと再教育メディアとしての図書館 三浦太郎
ロバート・ギトラーと日本図書館学校 高山正也
福田直美と1959年のアメリカ図書館研究調査団 小出いずみ
占領下日本における図書館法制定過程 三浦太郎
図書館社会教育論の実体 佃一可
図書館問題研究会の成立と展開 佃一可
図書館流通センターとはなにか 佐藤達生
インタビュー:日本図書館学校の思い出 今まど子
日本図書館史年表 村上篤太郎
編著者プロフィール

メーテツ先生のトクジローとNDL草創期はドキドキΣ(゜∀゜;) 9:45までに通用口に飛びこむと定刻に出勤したことになったという赤坂離宮時代ですな(´∀` )
佃 一可という人は知らんなぁ。書きものをほとんどしていないように見えるが。。。佃実夫の親戚か??? はたして図問研成立史にどこまで迫れるか。わちきは図問研の成立と日本共産党あたりの関係とかが知りたいのぢゃが。まあ、実際には当時のインテリ(亜インテリ含む)に共通する社共的(社会党共産党的という意味ですよ、ってもう若いもんにゃわからんってか)雰囲気があっただけなのではと思ってをるが(・∀・) 図書館分類の「誘引分類」「ある本の本は同じ分類」やら、図書館の日本性論争でも痛感したが、米国流の図書館運営術(library economy)って、背景にプラグマティズムがあるから、もし、ほんとうにきちんとやれば、右翼司書でも左翼司書でもおんなじになっちゃふんだけどね(σ^〜^)
佐藤達生という人はどーやら図書館振興財団の人のようだが。。。ちとTRCに近すぎる? ってかTRCはJLAとの「負の関係」なしには説明できんような気もするが。。。(゜〜゜ )

図書館史って「役に立つ」の???

図書館現象を対象にした歴史学というジャンルがあるとして、もし、それがキチンと学術的であれば、必ずしも現在の図書館経営や司書の出処進退に役立つわけではない。
これが現在に役立つものだけが図書館史学ということにしてしまふと、それは「為にする」学問、曲学阿世以外の何物でもなく、スバラシくもワカリヤスイ石井敦先生ばりの人民史観へ一直線である。
だが逆に、キチンと学術的であれば、役立つ部分もあるだろう。

アメリカ様」の時代

で、この本のウラ主題は、実は、「アメリカ様」

こっそりひそひそと大東亜図書館学の復活を目論むわちきであってみれバ、拡大東アジアにおける日本の実効支配をひっくりかへしたアメリカ様は怨敵といふことにならうけれど、実際、本朝の図書館学が多少なりともまともになったのはアメリカ様のお蔭に負うところが少なくない(まあ、岡田温などは、あまり子供扱いされてもと云ふてはをったが)。
で、この本の主題はほとんどみな、アメリカ様による図書館振興に関係しとる(といふかそのまま)。
NDLは占領軍によって設置されたポツダム官庁だし、CIE図書館が日本の知識人に(って英語の文献しかないから)及ぼしたショックはかなりのものだったらしいし、新しい図書館学校ってば、あれでしょ、いま慶大にあるやつでしょ、あれ、一大学の専攻でもなんでもなくて、民主化のための「日本の」図書館学校だったわけだからねぇ。福田なをみは実は戦後、彼女を通じてみな日米図書館協力がなされていたといってもいいぐらいの超重要人物。
まー図問研アメリカ様とは直接関係はないけどね。でも、新左翼的反米主義ではあったらうから、そーゆー文脈ではアメリカ様への反動ではある。左翼が反動とはこれいかに(σ^〜^)
むかしだったか友人に

司書としての宮武外骨

といはれ、げに、と思ったことぢゃったが、宮武は奇人といはれ、まあ事実さうなんだけれど、晩年になにやってをったかといへば、それは図書館の新設と経営であったわけで。
そいから戦中期から晩年にかけては絵葉書の蒐集(σ^〜^)
司書としての外骨をもっと評価してよいわけであるが、石井トン先生の人民史観だと、人民への小説本無料貸出しという評価軸からズレまくり。好事家、研究者への新聞雑誌閲覧サービスだからねぇ(*´∀`*).