書物蔵

古本オモシロガリズム

発行部数

「幽霊版」(版数とばし)は大正初めに始まった?

さても発行部数は出版屋の秘密にしテ。 かの電通も明治末年、その公表をあっさりやめてしまったとかや。 発行部数の代替機能を持ったものに版数がある。「忽ち○版!」「○版出来!」といった宣伝文に象徴されるアレのことだ。 戦後みたいにABC(部数認定機関…

本は千部刷らなければ算盤がとれぬ、といふのが常識

出版物の全国普及に関して、日配の配給課長だったとおぼしき中條一郎という人が、面白い、しかし的確な指摘をしている。友人が玩具を発明し売り出した。その友人が町中の玩具屋店頭を見たが、自分の発明品が店頭にみえなかったという。そして「新刊書にして…

沖縄は出版が盛んとぞ

池宮紀子「「もうすぐ30年」のご褒美と激励」『出版ニュース』(2504)p11-142019年1月下旬号p 1月21日 発売から いろいろ話をする中でよく驚かれるのが、ほぼ書籍売り上げの90%が県内向けであること。それなのに部数が初版だいたい2000部ということだ。現在…

『出版普及』の18年ごろの部数は15000部

『出版文化』が文協による出版社(メイカー)向けの、 『出版普及』が日配による書店向けの出版業界誌であるわけなんだが。 その一方の『出版普及』発行部数が『出版文化』に載っていたのでメモ。 出版配給課「買切制実施対策「其一」―計画配給委員会中間報…

警察による部数調査の信頼性について及び部数とは

書物蔵:古本オモシロガリズム‏ @shomotsubugyo 11月24日このまへもたまたま某所で出会ったオニャノコに渡したらオモシロいと言ってくれたのでありました( ´ ▽ ` )ノ ・書物蔵「近代日本〈本棚〉史:本箱発、円本経由、スチール行き、そしてみかん箱」『文献…

猫の刷部数

1905(明治38)年1月、俳句雑誌「ホトトギス」で発表され、翌06年8月まで連載。単行本が05〜07年に3分冊で出された。定価は上編95銭、中編と下編が各90銭。同図書館によると、1冊の値段は現在の1万円弱に当たる。 領収証は同図書館が7…

『モダン日本』

書物蔵(古本フレンズ)‏ @shomotsubugyo書物蔵(古本フレンズ)さんが戦前〜戦後のレトロ写真をリツイートしましたおゝ(@_@;) 平台に『モダン日本』が!Σ(゚◇゚;) 『モダン日本』はいま、5000円くらゐするなぁ…紙が悪いせいで、そもそもあんまり残ってゐな…

図書館書体

書物蔵(古本フレンズ)‏ @shomotsubugyo 16 時間16 時間前書物蔵(古本フレンズ)さんがクリッピング!(神奈川県立の図書館)をリツイートしました手書きの図書館書体、って、たしかタイプライター導入前の20世紀前半まで米国であったとか 日本でもあるが…

百版道

百版道さん次の文章を読了。 ・多田蔵人「百版本の世界」『日本古書通信』82(9)p10-11(2017.9) いろいろ示唆に富んで面白い(^−^*) a 版表示はどこまで実態を表すか? b 奥付の読者は誰か? c 版表示と発行部数の連動は? 出版者により違う? 時代によ…

千部ぶるまい

書物蔵:古本オモシロガリズム ‏ @shomotsubugyo 2017年4月7日書物蔵:古本オモシロガリズムさんが小林泰三(作家)をリツイートしましたなるほど。ちなみに、戦前における単行本、1度の重版(刷り)の基本は、500から1000部だったらすぃ〜まぁ本はもっと高い…

円本がはやるまで、部数は三千部ぐらい

外骨がこんなことを言ってゐる。 宮武外骨 著. 一圓本流行の害毒と其裏面談. 有限社, 1928.11. 56p ; 次に新円本の出版が続出する理由は、従来の単行本は対外三千部位しか売れず、景気がよくて増刷しても五六千部止まりにすぎず、一万以上売れたものは、百中…

クニゾーたんの出版論および部数論

中田邦造「出版文化と圖書館事業」『文献報国』7(12)(66)p4〜7(1941-12) 即ち書物には、専門学者の参考書の如きものもあり、一般国民の慰安のための書物もあります。前者の如きものは僅々五百sつもあれば十分に需要者に行き亙ものもあrますが、然し後者の…

江戸期、商業出版(町版)の部数相場

どうやら江戸時代、商業出版物の部数相場は、2〜300部だったらしい。 何といふても昔のことだから、初版の発行部数は二、三百部も出れば相当の好成績であったものらしく、千部も発刊するやうな事になった時には、『千部振舞』と称して、時価の職人店員等を一…

明治初期、単行本の出版部数

「同盟出版方法書並第一回出版書目」(博聞社、明治16年11月、16p.)というパンフレット(の金沢文圃閣による復刻)を読んだ。 そのまえがきにオモシロな記述が(゚∀゚ )アヒャ 要旨は予約出版(=同盟出版)の募集なんだけど、こんな感じ。 文明開化は出版点数で…

「部数」のいろいろ

2年まえ、「部数」とは何か(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20100920/p1)ちゅーエントリを書いたことがあったけど、その時のメモがでてきたので追記。 いろいろある部数 「公査部数」とか「公称部数」といった言葉があるが、いまいち何のことだかわ…

佐藤卓己『天下無敵のメディア人間』を方法論的に読み解く!(下):ホットパート集から輯逸!

承前 どこまで話したんだっけ。。。 そうそう、この本の主題は野依秀市伝だが、野依は一般人から完全に忘れられていたこと。ただ、一部の読書人には注目されて先行文献があること(一番くわしいのは、梅原正紀――かの北明の息子だよ――)。伝記でもあるけれど…

戦時本の奥付にある発行部数の時期

古本者ならみんな知っている奥付の部数。いつごろから載っているのかについて諸説ある、というか説がないというのが現在の状況。 ちと見てみたら。 現代読書法 / 田中菊雄著,柁谷書院, 1942.9 第一版 第一刷 三、六〇〇部 第二刷 三、〇〇〇部 第三刷…

『兵庫の汽笛』と、寿岳文章の限定版部数論

空閑文庫で1200円で拾った古書目録をながめる。 明治大正文献在庫書誌 : 文学を主とする. -- 万字屋書店, 1958 これ、異なるタイトル「明治大正文学書目」が表紙と背文字にあるから、OPAC上で引きづらい。

「部数」とは何か

趣味で調べてみたのだが、部数についてまともに概念規定したものがミョーに少ない。『出版事典』には「発行部数」ぐらいしかなくって、『マスコミ用語辞典』が役立ったのは意外であった。 「部数」とは何か ぶすう【部数】 書物や雑誌など、出版物の数。続き…