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「図書館戦争」とJLAのタイアップ

うーん、やっぱ、テキトーなんだなぁJLAのメルマガ(´・ω・`)

JLA理論誌(ってことにしといてちょ(^-^;))『現代の図書館』の編集長、砂川……ぢゃなかった須永先生が有川浩先生を怒らせちゃって、『図書館戦争』とJLAのタイアップはないのでは、と思ふてをったら、あにはからんや
さっき来たJLAメルマガ(JLAメールマガジン第647号)にこんな書きつけが。

○映画「図書館戦争」のタイアップポスターを配付
 日本図書館協会東宝株式会社配給の映画『図書館戦争』のタイアップポスターに協力した。映画の原作は有川浩著『図書館戦争』(角川文庫)。〜撮影は、山梨県立図書館(新館、旧館)、十日町情報館、水戸市立西部図書館、北九州市立中央図書館などで行われた。

へぇ(・∀・`;) まあこれは結構な話。
とつらつら読んでいたら、なんか、ビミョーに変な説明文。

 ベストセラーで話題となった原作は、冒頭「図書館の自由に関する宣言」 (日図協決議の宣言とは若干表現が異なる)を置き、それに沿ったストーリーが展開されているが、司書たちの図書館業務についてリアルでかなり正確に描かれており、図書館員の間でも話題となった。

「図書館業務についてリアルでかなり正確に描かれており」って( ・ o ・ ;)
「話館員の間でも題となった」かもしれんけど、「リアルでかなり正確に」ってーのは、聞いたことないなぁ。ってか、わちき、小説もアニメも見たけど、あんま司書業務がリアルには感じられんかったがのー。むしろ軍隊(自衛隊)生活がリアルに感じられなくもなく。。。(σ^〜^)
トンチンカン。
さらに…

ポスターには、4月27日から上映公開されるので、「4月30日は図書館記念日 5月は図書館振興の月」が協会の名前とともに入っている。全国の公共図書館、高等学校の図書館に順次送付される。

図書館記念日もなー。

もっと業界大左翼たちのご苦労を慮るべき

わちきは、現行図書館記念日(4/30)制定の背景に、反天皇主義的な心情があったことを認めんでもないけれど、それは直接的なものではなかったし、とうじのごにょごにょを大切にしたいのに、あっさりとJLAの事務局のだれかが勝手に反天皇に結びつけちゃって。。。
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20090430/p1
あんまり反天皇主義をショージキに明解に出しすぎるといろいろと困ることになりはすまいかの。
だいたい近代日本の軍隊は(帝国陸海軍や戦後の自衛隊すらも)、少なくとも君主制護持側の暴力装置であったわけで。「図書館戦争」みたいに違憲の疑いがある(少なくとも左翼や極右はそう言っていた。帝国陸海軍は合憲。)自衛隊モドキを容認・前提にする劇映画のポスターに、反天皇主義的と事務局がHPで呼号する「戦後の」図書館記念日(戦前のはむしろ天皇崇拝の一環)を刷り込むというのは、これはなんちゅーワケワカンナさかしら。
って、わちきはいい人ぢゃないから、事務局が「ぐへへへ。自衛隊容認映画に反天皇記念日を刷り込ませて体制かく乱を謀ってやれ(  ̄▽ ̄)ノ」なんちゅー高度な計画をしている、なんて思ってあげることは、しませんよー(・∀・)
たんに、なにも考えてない。なにも知らない。知らないまま、その場の雰囲気で呼号している。そのいい例が、「図書館記念日制定についての経緯は全く知りません。」と、知ろうとも調べようともしない人。
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20090430#c1241231963
これ、もし図書館関係者の書き込みだったら、超ハズいよ(*´д`)ノ
国会図書館法とかいふポツダム官庁の行政作用法(の前文)に、「真理は我らを自由にする」てふ文言があるさうだが、あれは部分的に間違っていて「事実は我らを自由にする」んだよね。最初っから、これが真理、これが正しいと持ち出されちゃあ、実は異なる意見の持ち主同士が議論するなんてできない。そうでなくて、事実関係はまずどうなのと、調べて初めて、じゃあ、こうでしょ、ああでしょと議論ができる。
その伝でいへば、戦後の記念日の制定理由(まあ、理由というか背景、雰囲気だわな。理由は1950年図書館法の制定日だから、ということで済まされる)に、現行のJLAホムペに書かれとるがごとく反天皇主義があったことはおそらくたしかなのだが、いろいろ調べたのに、はっきり出てこんのよ。
清水正三だか森崎震二だか知らんが、わちきはむしろ当時の大左翼たちの知恵を感じるね。
当時だって保守派や天皇崇拝家は業界にだっていたはずで。
のっけから、「これ、天皇制否定の記念日ですから」って言ったら、その人たちを敵にまわすことになるばかりで、いいことないでしょ。それに当時、当面の敵は、天皇でなく、その臣下たる文部省の社会教育系官僚だったわけだし。
だいたいさー、図書館なんてもんは、包丁やナイフとおんなじで、なんにでも使えるもんよ。
平和維持にも戦争遂行にも、内政にも外交にも、趣味にも実務にも、キチンと整備された図書館(べつに紙資料でなくて可)があれば使える。
右翼にだって左翼にだって等しく使える(ようになるべき)もんなのよ。
体制変換しても図書館の意義ないし機能は変わらんようにしたいもの(σ^〜^)σ

あとさぁ、前から気になってんだけど、もうちっと文章を練ったら?

もちっと文章を練ってくんないと読みづらい(*´д`)ノ
「配給の映画〜のタイアップポスター」って、「の」を2回以上続けないでほしいのだが。
「撮影は〜〜〜〜などで」などと、主語にあたる言葉はなるべく後に出すべきだって、本多勝一大先生の『日本語の作文技術』をいちど読んだほうがいいよ。
「ベストセラーで話題となった原作」というのも、言いたいことはわからんでもないが、変な表現。「セレブリティーで有名な」などと同じく変。「ベストセラーとして話題と」ならまだまし。「ベストセラー」が話題になるのは理の当然なのだから、ここは「ベストセラーとなった原作」くらいで済ます。
「ポスターには、4月27日から上映公開されるので、」も、せめて逆順に「4月27日から上映公開されるので、ポスターには」ぐらいにしたら。
読んでてストレスを感じたんでかように直してみた。

 日本図書館協会は映画『図書館戦争』(東宝株式会社配給)のタイアップポスターに協力した。映画の原作は有川浩著『図書館戦争』(角川文庫)。〜山梨県立図書館(新館、旧館)、十日町情報館、水戸市立西部図書館、北九州市立中央図書館などで撮影が行われたという。
 ベストセラーとなった原作は冒頭に「図書館の自由に関する宣言」(現実の宣言とは少し異なる)を掲げ、宣言の各条を題材にしたストーリーが展開されている。司書業務が背景となっているため、現実の図書館員の間でも話題となった。今回の映画ポスターには「4月30日は図書館記念日 5月は図書館振興の月」というフレーズが協会名とともに入っている。これは上映公開日(4月27日)にあわせたもの。全国の公共図書館、高等学校の図書館に順次送付される予定。

もちろん、わちきが個人的にストレスを感じたのだけれど、専門職運動に携わる連中が、作文も書けないとは情けないったらありゃしない(*´д`)ノ