書物蔵

古本オモシロガリズム

司書がこれでは困るなぁ(・∀・`;) 知的自由と戦争協力は直結するか?

批判というのは誰のどこの部分を、ということをなるべくはっきりさせたほうが、学術的にも世間的にもよいのだけれど、後難を恐れてあんまやらんね。

太平洋戦争中に軍に協力したという負の歴史をふまえ、JLAが「図書館の自由に関する宣言」を採択したのは一九五四年。
飯田寿美「はだしのゲンでなかったら」『図書館雑誌』107(11) p.672(2013.11)

ゲンの開架を支持する文章なんだけど、こういった、テキトーな知識・史観は困るんだよなぁ。。。(・∀・`;)
JLAあるいは図書館業界は、帝国陸海軍に協力していたか? →No 具体的に何も協力できていない。大政翼賛会とはタイアップして国民読書運動をしているが。軍に対しては協力しようしようとはしてたけど、軍の側がまったく相手にしてなかった。唯一の例外が、間宮不二雄によるトンデモ陸軍参謀への申し出(1938)だけど、これもトンデモでしかないから。。。
自由宣言(1954)は破壊活動防止法に反対するものだから、広い意味で反戦・反軍隊の流れであることは事実だと思うが、WW2中にJLAなど図書館が軍事協力した・できていたというのはヘンだよ。

ALAとの比較

たとへばサ
ALAはWW1の時にゃ、大々的に米軍に協力してた・できてたでしょ(σ・∀・)σ って、当時の「図書館雑誌」に書いてある。さすがにWW2の図書館雑誌にはなんも書いてないけど、ALAはきちんと(?)米軍および米国の戦争遂行に役立ってたと思うよ。
けど、そのALAは日本なんかよりずっと知的自由やプライバシーなどしっかり守ろうとしてきたハズ。これをどーみるか?
答えは2、3通りしかないね。
1)日本軍は悪。米軍は善。ゆえにJLAは悪でALAは善。
2)日本は負けたから悪。米国は勝ったから善。ゆえにJLAは悪でALAは善。
3)知的自由と軍事協力はあんまり関係がない。
わちきは事実からいって、3の答へを推奨するがの。
いや、逆か。これはいちばん戦後日本的知性が肯んじがたいもの。
4)きちんと軍事協力できる能力がないときちんと知的自由も考えられない。
あーらら(*´д`)ノ