書物蔵

古本オモシロガリズム

酒井テイの図書館哲学の中心は図書館協力であったといへやうか

また高円寺に行ってしまい、友人を拾うが、その際、きのうはでていなかったこれを拾う。

  • 情報図書館学序説 : パネルディスカッション国際化する情報社会に対応して / 金子量重編. -- 雄山閣出版, 1985. -- (講座情報と図書館 ; 1) 315円

わちき、酒井, 悌 (1913-1992)‖サカイ,ヤスシ のファンなんよ(o^ー')b
この本の中の、図書館振興に関する私見 / 酒井悌 p.11-43 が気になったので読んでみた。以下、酒井の主張、箇条書き。

  • 図書館運営(いまで言う経営)の本質は、「図書館協力」とみている。国会図書館の事業設計をしたクラップもそういっていたので、自分は連絡部でがんばった。
  • 司書課程における、図書館哲学、図書館心理学の欠如の指摘。※哲学はともかく、利用者心理学はもっとも。
  • GHQのCIEとつるんだ金曜会に対する否定的評価。※戦前の中央図書館制度だらかという。ただ、酒井自身、『図書館雑誌』を見ただけにすぎないと、あまり研究していない。
  • JLAが、学校図書館協議会や専門図書館協議会の成立を妨害したというゴシップ。先進国には複数あるとも。※これはオモシロ。
  • JLAは個人会員でなく機関会員がメインになるべきこと。※これは ら市民派(人民派?)の意見とサカサ。
  • 協力の片務性、とくに大→小については、寛大に見るべきという価値観。※まあそうなんだけど、これは間違いとわちきは思う。
  • 米国図書館振興財団の事例 機械化、保存、職員教育(主題専門家) ※CLRがかがやいていた。
  • 専門図書館要覧」は自分がつくった。※へー(・o・;)
  • 図書議員連盟の成り立ち 細田吉蔵議運委員長)が財団をつくろうと経団連ほかに寄付を依頼する寸前に衆参同日選
  • 図書館振興基本法案も悪くはないが、むしろ財団のほうが役に立つ ※高徳(高橋徳太郎)とは若干距離があったのか?(・∀・`;)

「討論」と称して、酒井の文章(発表)のあとに、金子, 量重 (1925-)‖カネコ,カズシゲ 河野, 徳吉 (1926-)‖コウノ,トクヨシ 戸田, 光昭 (1935-)‖トダ,ミツアキ 高山, 正也 (1941-)‖タカヤマ,マサヤ 
酒井悌と話しているが、「まことに感慨の深いお話をうかがった。私らのような若輩のものが聞いても…」(高山)などと、あまり議論は深まらず。まあこれは、酒井悌がしゃべりすぎであることもあるんだが、酒井(国会)以外はみな、専門図書館(企業図書室)系の人であってみれば、とても酒井のナショナルな議論についていけないことは無理もないことである(一部、大学教授もをるが、もとは専門図書館員。指向としてナショナルではない… ん?(・ω・。)ナショナル…)。
この本がでたあと、国会図書館には連絡部あらため「図書館協力部」が成立するが、ある種の画期ではあったろう。
ってか、このエントリかくさいにきづいたが、酒井テイが著者標目にたってない全国書誌データってーのは、なんちゅー不忠不敬…(-∀-;)