書物蔵

古本オモシロガリズム

大阪ゾッキ本問屋 「松要(まつよ)さん」

JLAの戦前名簿を買った領収書が出てきて、どっかにあるはずだがどこにもない(´・ω・`)とウロウロしてたら、こんな本が出てきた。

  • 松要さんの思ひ出 堀勝彦 編集者代表 全国出版物卸商業協同組合 1955

いま出版人名事典をみると、 「松要(まつよ)さん」こと松浦, 貞一(1886-1953)は大阪でゾッキ本問屋をやっていたひと。
本のせり市における「ふり」の名人だったようで、ある人が、なんでそんなに「振り」がうまいのと聞いたら、

古書の市は言ふ迄もなく瀬戸物屋俗にたヽき屋、夜店のバナナ屋、古道具屋花屋古着屋と至る所で研究し(p.73)

とのことだったという。
いやサ、夜店のバナバのたたき売りは、わちき幼稚園か小学校低学年のころ、本物を見た覚えがあるよ(^-^;)
ところでこの本、出版史研究には超アリガタイことに総ルビで、固有名が手に取るようにわかるヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャ
こんな記述がある。
大正期、大阪の古本屋の一流店は松屋町にならんでいたが、そこに松要の古本屋の問屋があったというのだが、そのルビおよび( )に、

ルビ:まつやまち 松屋町(まつちやまち)
ルビ:まつよ 松要(まつちよ)

とある(p.6)。
察するに、

Maccha-machi まっちゃまち
Maccho まっちょ

と読むのであらう(σ^〜^)σ
これを書いたのは伊藤一男(カズヲ書店)、ほかにも帆刈芳之助、小川菊松など、錚々たる面々が追悼文を寄せている。
とはいへ、この本を所蔵する図書館は関西を中心に4,5館しかないし、国会にもないから見るのはむつかしいのだけれど(;´▽`A``
ん?(・ω・。)
おまいはなぜ持ってるのかってか?(σ・∀・)σ
そりゃ、1冊しか出てなかった日本の古本屋にあったものを買っちゃったからなのだわさc(≧∇≦*)ゝ
函、カバつきで天牛から2千円ぐらいだったような。