書物蔵

古本オモシロガリズム

Samporitsu?

明治のはじめ、官許読売新聞が、まだ1枚表裏の時代(だから、当時、新聞紙は「部」ではなく「枚」と数へた)。まあ、官許であらうが、当時の読売新聞ハ、「小新聞(こしんぶん)」。庶民向けの夕刊紙(ただし、当時夕刊はまだない)みたひなものと思ひねぇ(σ・∀・)

○此頃、諸新聞に文字の代りに何だか○○○〔ルビなし〕点がよく書て有ッて分りませんから、或る学校の教師に尋ねましたが、「あれハ算術で○(れい)の処へ使ふ符徴だから、大かた算法律から代用したので有らう」と申されましたが、如何でございますヱ〔?〕新聞屋さん
麻布市兵衛町 長屋平太郎
「○此頃、諸新聞に文字の代りに」『読売新聞』(269)p.2(明治8.12.14火曜)

これに、「たのまれも志ない」のに、「新聞屋にかはッて」答えちゃふ「投書」が載る。
こんなもの(´・ω・)ノ

○市兵衛町の平太郎さんが新聞の中の○○(まる/\)点がご不審のお尋ねで御ざいますが、私も此○○がどうも合点が参らぬゆゑ博識(ものしり)といふ博識を○の内からオッぱじめ、本郷○山、○屋町、○太新道、大○新道、○子村やら中○村、徳○が原迄も尋て聞てみましたが、さッぱ里訳がわかりません。
 ○○訳がわからぬのも○で馬鹿にされるから、一番こゝが探索と思ふ折から、投書で算法律(さんぱふりつ)の代用で有らうと聞いて不審が晴ましたが、偖(さて)○○ハ大事なことで○が無けれバ世渡りが出来ず、人の付合も○いがよし。喧嘩争論ハ○く治め、商人方ハ○もうけが第一。台湾の戦ハ○勝をし、樺太のとッけヱべヱも○く済み、此外○焼の十三里、おさつの○揚、別品○わげ。日月○く、地球が○く、こんどの朝鮮一件もどうやら○く行そうだが、○く治る三国券で、一座が○く集ッて、祝ひを一ぱいやるやうに志たい物だと、たのまれも志ない新聞屋にかはッて御答申ます。
通三丁目高嶋屋
「○市兵衛町の平太郎さんが」『読売新聞』(275)p.2(明治8.12.20)

( )内は原文総ルビのうちわちきが添えたるもの。総ルビなので(σ^〜^) 「○」にはみな、「まる」とふりながが振ってある(≧∇≦)ノ あゝ、重要な点だが、さいしょの「○市兵衛町の〜」の「○」だけには、ルビはないからね(o^ー')b 〔 〕内はわちきの注記。促音は引用者において小文字にした。変態がなは適宜、かなや漢字に置き換えた。「、」や「。」「、」パラグラフはみな、わちきがつけたもの。これでずいぶんと、読みやすくなったでげしょ(σ・∀・)σ
これらの記事につき、ヨミダスのメタデータはかようになってをる。

1875.12.14 [投書]新聞の文章中のマル印(伏せ字)は、算術の符丁か? 朝刊 司法 2
1875.12.20 [投書]新聞記事に見られる○○は、どんな意味? 伏せ字への皮肉 朝刊 情報 2

んで、「さんぱふりつ」なるものが、なんなのか、てふことが、きはめて、きはーめて重要ならん(σ^〜^) ヨミダスのメタデータに「司法」とあるのがイミシンぢゃ