書物蔵

古本オモシロガリズム

明治の統計書はめんどくさいが上手く引き当てればオモシロΣ(゜∀゜;) 

いまコロナ禍在宅研究支援とて臨時公開されとる「都道府県統計書データベース」(J-DAC:ジャパンデジタルアーカイブズセンター)。
大変に重要かつ便利な当該DBなれど、『警視庁統計書』が引けないのであった(´・ω・`)
『(明治四十三年)警視廳統計書』を見ると、こんな不思議な項目が設定されている。

地方所定違警罪>新聞紙雑誌発売転売及縦覧所営業届出規則ニ違背ス (〃〔男〕 二十 二十

https://books.google.co.jp/books?id=ZSqgl4bZwUkC&pg=PP391&dq=%E2%80%9D%E7%B5%B1%E8%A8%88%E6%9B%B8%E2%80%9D%E3%80%80%E2%80%9D%E7%B8%A6%E8%A6%A7%E2%80%9D&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwjJkv74idjoAhUU_GEKHXAQBmgQ6AEIJzAA#v=onepage&q=%E2%80%9D%E7%B5%B1%E8%A8%88%E6%9B%B8%E2%80%9D%E3%80%80%E2%80%9D%E7%B8%A6%E8%A6%A7%E2%80%9D&f=false
p.354によれば、20件中19件までが浅草で捕まっているので(1件のみ赤坂)、浅草署管内に、違法な新聞販売所、縦覧所が集中していたことになる。ということは、これらはみな、売春あっせん所としての縦覧所の可能性が大きい。
ヨミダスだっけか、新聞縦覧所でエッチいことをやる輩がいるから取り締まる、といった記事があったような。「新聞紙雑誌発売人転売人及縦覧所営業届出規則」ってやつだったんだねぇ。
これは「警視庁ニ定ムル罪」のひとつであろう。『東京府統計書:明治22年全』(東京府、1890.12)に「警察>188違警罪処断者」という統計グループがあって、「警視庁ニ定ムル罪」というのがあったらしい(p.387。中身は1889年分)。
ほかにも「庁令及府令違犯」(p.583)に「新聞紙雑誌雑報類又ハ時事ヲ風刺セル冊子ヲ路上ニ読売ル」も「市部警察署」内管轄不明で8件取り締まられている(郡部警察署はゼロ)。
これはいわゆる「読売り」ですな。古写真の読売りを見てごらんよ。ほとんど「花の慶次」のごとく傾いているぞよ(σ・∀・)