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石を売る:ある総会屋雑誌の転進:必ずしも経済誌でない???

有名な総会屋雑誌のオーナー、木島力也氏について調べてたら、その流れをくむ小池隆一氏についての記事に面白い記述があった。

  • 「総会屋への利益供与 野村証券が小池を恐れた理由 闇世界、姿見せる」『週刊アエラ』1997年5月26日 p.13-

小池隆一氏が逮捕された時の記事。

 逮捕された小池容疑者が総会屋としてデビューしたのは一九七一年の王子製紙株主総会だった。(略)この後、小池経済研究所と名乗り、七七年頃から機関誌「訴える」を月二回発行し、企業に購読させていた。(略)
 株主総会で初めて発言したのは、七九年頃の日産自動車の総会だったという。理論派総会屋として本格的に頭角を現すようになる。
 商法改正で総会屋への利益供与が禁止された八二年、
 「もう総会屋は引退するよ。趣味の雑誌でも出すよ」
 といっていたという。
 雑誌は「石」という庭石の雑誌だった。
 しかし、この雑誌の狙いは、庭石を購入できるような富裕層へのアプローチの手段として考えていたようだ、と小池容疑者を知る人はいう。決して、引退していたわけではなかった。

いいなぁ(´∀` )
ってか、この小池さん、武闘派から理論派に転向しただけあって、アタマがいいね。
雑誌『石』なんて、まるで、つげよしはるの「石を売る」ぢゃないの(σ^〜^)σ
いま『石』の所蔵先を調べたが、いまいち見つからんね。
『訴える』のほうはタイトルが直でいいね(^-^;)
大学等にはなくて、国会にあるこれがそうかしら。

  • 訴える.  訴える社. 半月刊 101〜163号(昭51.7.25〜55.6)(欠: 153号)Z33-511

まあ、ふつーはMさんの指摘せるごとく、総会屋雑誌は経済雑誌なんだけどね。

ジャーナリズムの看板を掲げる連中も扱いにくい。たとえば、ある種の月刊経済誌は、グレーか真っ白なのかわかりにくい。(『アエラ』1997年11月24日p.62-)

この小池さんについて略年表を作ってくださっている方がいるね。
http://blog.livedoor.jp/santama55/archives/66039160.html
うーん、典拠が書いてない(´・ω・`)
けど、木島力也氏が1993年没というのは、これはあまりわからない情報であるヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャ
ってか、
木島力也についても略年表があり、こちらは典拠がある(@_@;)
すごいっち(o^∇^o)ノ わちきより前に総会屋史をまとめようとしていた人がいたなんて。
http://blog.livedoor.jp/santama55/archives/65993432.html
ってか、実は総会屋史については単行本が既に1冊出ている。

  • 田豊晴 著. 総会屋100年. リッチマインド, 1991.4. 141p

このまえ森先生に五反田で拾ってもらった。おそらく戦前もフォローしたものとしては唯一のもの。