書物蔵

古本オモシロガリズム

注目度ランキングトップ10図書館:同業他社から一目おかれる図書館はここ

わちきのいふところの2ちゃんにこんなものが紹介されていた。

慶應義塾大学糸賀研究室による国立国会図書官等の図書館向けサービス・事業に関する調査(結果報告)
http://web.keio.jp/~osada/

で、オモシロかったのは本体の部分ではぜんぜんなく、最後んとこで国会にかぎらず国内で気になる同業他社をおしえてちょ、という質問のとこ。

問4.貴館が注目する国内の図書館 (国立国会圖書館等の図書館向けサービス・事業に関する調査:単純集計/調査期間:2012 年6 月26 日〜7 月20 日)
http://web.keio.jp/~osada/date/syukei.pdf

単にメディアに出ているから気になるという、例えば、「武雄市〔立図書館〕」なども単純な答えでは上位(公共回答で2位)にあったりもするので、ちゃんと、「表8 「1 その図書館の活動が優れているから」という理由で注目されている国内図書館上位10 位」という別の表が用意されていた。
で、見てみると。

公共図書館回答分(回答数341)

順位 図書館名 回答数
1 国立国会 99
2 鳥取県 41
3 浦安市 30
4 千代田区 28
5 岡山県 18
6 東京都 17
7 伊万里市 16
8 小布施町 15
9 東近江市 10
10 大阪府 8
10 国際子ども 8
10 東京子ども 8

なーるへそぉーですなぁ。。。国会はともかく、鳥取県立は小規模県立ながら2000年代に片山善博知事がテコ入れをして有能な人を配置したからいろいろ経営の立て直しができたから、それが評価されとるんだねぇ。
http://okwave.jp/qa/q4553134.html
ここに「鳥取県の前知事・片山善博さんは在任中、県庁内に図書室を設置したり県立高校に学校司書をおいたりと図書館政策に力を入れたことで有名なようですが、その具体的な成果は」などという質問がでているが、回答はもう、はちゃめちゃ、というか基本的に質問とは無関係だなぁ。
この人に聞く -齋藤明彦さん−
http://homepage2.nifty.com/kitanotosyokan/newpage42.html
浦安市立が優等生的に(貸出中心主義者にも○×支援主義者にも)評判がよいのは1980年代からの継続として(むしろ2000年代になにか新しいことやっとるかが問題だが)、千代田区立が指定管理者でさんざんたたかれたにも関わらずプラスの評価で4位というのはオモシロい。小布施町立(まちとしょ)はもっと評価されてもいいと思うがなぁ。岡山県立も悪い図書館ぢゃないけど、基本的には貸出統計で評価があがっているからすなおによろこべん。国際子どもと東京子どもが10位にならんどるが、片方は完全直営官立で国有地つかってやっとるのに対し、東京子どもは完全民営だから、ちょっと比べられんというか、厳格主義的価値論が玉にキズとはいえ、東京子どものほうを上においてあげるという「操作」をしてあげてもよかったんでは(笑 実際、国際子どもに児童サービスのノウハウを移入したのは、the yatoi 的な東京子ども系の人だったというぞ。

大学図書館回答分(回答数302)

順位 図書館名 回答数
1 国立国会 119
2 慶應義塾大学 30
3 九州大学 24
4 千葉大学 23
5 お茶の水女子大学 20
6 國際教養大學 15
7 東北大学 13
7 明治大学 13
9 東京女子大学 12
9 千代田区 12

こっちはといへば、ありゃ、まだICUの御威光はあるのね(わちきの見間違い(^-^;))。ってか、とくにぬきんでてすごいという館はなくて票が分散されとる印象。そのせいかどうか、千代田区立が唯一、公共図書館なのに大学図書館からも気にされとるというのは意外である。KOが事実上の1位なのはまあいいとして(実は少し意外)、W大が出てこないのは解せんなぁ。。。といふか、わちきの場合、オモシロなコレクションとかどっちかっつーとコンテンツ系の印象が強いからW大が重くみえるのだろう。九州大附属が4位なのは、「ライブラリー・サイエンス専攻」とかが大学院にできたからか??? 知らんなぁ。ってか、、「ライブラリー・サイエンス」ってナンダロ??? もしかして、library scienceのこと??? だったらそりゃあ、いま日本では図書館情報学といわれとるジャンルではあるまいか。それとも、まさか「図書館科学」か。って、図書館科学会ってあったよね。と、ことほどさようにカタカナ言い換えには疑問なわちきなのであった。明治大学は、附属図書館というよりも「マンガ図書館」のほうが注目されとるような。

大学図書館業界で旗艦(flag ship)の移り変わりについて(追記)

旧来の日本の大学業界秩序だと、
地域:県名→日本→五大州名→国際
時代:慶応→明治→大正→昭和→平成
の順番に一般的になるんで、正直、国際ナントカ大って、あまりにジェネラルだから基督教大ぐらいしか憶えておらんのよ(=゚ω゚=)
いま6割だかの同世代が「大学」に行くといふ。って、だから友人なぞ「戦前の高等小学校の進学率とおなじですよ(σ・∀・)σ」といふのだわさ(σ^〜^)
あと、やっぱし1960年代の国際基督教大の図書館って日本一(ちゅーか純粋米国式)だったと思うんだよねぇ。。。(*゜-゜)
1970年代はもちろん金沢工業大学の図書館(金沢工業大学ライブラリーセンター)ね(o^ー')b
ちなみに、1960年代以降、カタカナ語が増えるとともに図書館の旧態依然さが問題になりはじめると、「ライブラリーセンター」とか、「情報センター」とか、library や bibliothekの近代の訳語「図書館」を言い換える動きが顕在化した時代であったの。
いまでも似たような現象はあって、archive(文書館)をやたらとアーカイブと呼び変える動きがある。で、最初でこそ意味もあるんだけど、なんでもかんでもアーカイブ(アーカイビング)っていはれるようになると、逆に無意味になっていくという図式(σ^〜^)
日本は文明の周辺国といはうか、文化維持的民族(アドルフ・ヒトラー説)といはうか。
ん?(・ω・。) さういふ意味では、植民地的/後進国的な大学(現地語でなく先進国語で授業をおこなふといふ)もまだまだ意味あるのか???