書物蔵

古本オモシロガリズム

NDC2類は、総記の歴史である!

日本十進分類において、history and conditionsは-02の補助記号をつけることになってをる。
たとへば、産業史なら、6←-02で、602、農業史なら61←-02で、6102(そして3ケタごえになったら.をつけるから610.2)といふぐあい。
このまへのエントリの注でちびっと触れたら森さんの琴線に触れてしまい、反応いただく。
主類(main class)の2類(俗に200番代といふ)は、実は全体に総記があるとしたら(いや、実際、000があるが、あそこは01、02、09が形式区分上の意味と違う意味にあらかじめ表で定められているから、020→200といった参照項目が立てられんのだけどね。)、総記の下位としての歴史にあたるという話。
別の言い方をすると、(左から1桁目の)1類、3類〜9類のうち、そのいくつか以上(できれば過半数)にわたるような事柄に及んで歴史を書いている本がきたら、それは論理上、上位(つまり総記)に行き、さらに形式区分-02を付与するのが機械的に正しい答えになるんだけど、そーなってないでしょ。
それはつまり、本当なら0桁目に-02を付けて、02という分類項目になるところが、そこはすでに違う意味に割り当てられている(02は書誌学)のと、さらにNDCの場合、桁数縮約で-02の0を省いて記号合成する*1から、0ケタに-02の0を省いて記号合成すると2(200)になる、とこーゆー理屈なんだけどね。
だから実際、一般社会の学問分類というか、知識ジャンル別分担とはかなりズレた形で分類番号はつけられる。
たとえば、古代の書物なら、231(ギリシャ・ローマ史)ではなくて020.2(図書史)がついとるでしょ。
表の構成上、ほっとくと、ほとんどの歴史書は2類以外に行ってしまうのだ。それを、注記をもちいたり、あるいは分類付与者の裁量(分類実績)でもって、2類に収めるものをつくりだしている。
たとえば前近代の戦争史は、390でなく2類に入れろと39のほうに書いてあるでしょ。あるいはまた、荘園史は、ほんとなら611あたりに這入っちゃうけど、これはどこにもなにもかいてないけど210に入れちゃうでしょ。

森さん的には、『史記』における列伝の編成について論じたかったみたい。

*1:まあ、これは後から構成した屁理屈なんだけど(σ^〜^)